「ポンペイ展」をみる


(注意:この記事は2023年1月1日に書いています。うっかり忘れていました)。

コロナ下の蔓延防止措置に入る直前だった2022年1月14日、上野の東京国立博物館で「ポンペイ展」が始まりました。この手の特別展は後に なると 間違いなく混雑する(切符がとれなくなる)とおもい、開催初日ではありましたがたまたま時間があったため見に行ってきました。

今回の展覧会ではポンペイで出土した様々な遺物(日常生活で使っていた品々から美術品まで)を多数展示しており、展覧会には持ち込めなかった ものの「アレクサンドロス・モザイク」の実寸大レプリカが床面に設置される(あれはもともとはポンペイの邸宅で床面を飾っているものでした) ということもあり、それらを楽しみに行ってきました。

コロナ禍のもとでの開催と言うこともあり滞在時間は90分限定という設定で開催された展覧会でしたが、見るべき物がとにかく多く、90分では とにかく駆け足で見るという感じになりましたが、短時間で集中的に古代ローマの遺物に触れ、たっぷり浸ってくることが出来たのは実にありがた い ことでした。

公共空間を飾っていた数多くの彫像、ポンペイの闘技場で開催されていた剣闘士競技の武具やさまざまなもの、邸宅を飾っていたフレスコ画や モザイク画といったものにくわえて、ポンペイの人々の日常生活に迫る道具も多く見られました。たとえば医療器具(え、そんなものものまで あるのかと思うものもありました。婦人科系の道具とか)、はかり、そして噴火の中運良く残ったパン(真っ黒な炭になっています)といった ものから、上流階級の豪奢な暮らしを窺わせる什器など、多数の貴重なものが展示されていました。

そして、今回の展覧会では「アレクサンドロス・モザイク」が映像と床のレプリカという形できていました。本物はこの頃修復中で残念ながら 運べなかったようですが、実際の大きさ、そしてこれが床にあるとどのような感じになるのかを実際に感じることが出来たのは実に貴重な機会 だったと思っています。

正直なところ90分(売店立ち寄りも含む)で全てをしっかり堪能できるかというと、正直なところ消化不良になったところもあります。しかし、 そういうことも想定してなのか、この展覧会、全ての展示物が写真撮影可能という非常に思い切った対応をしていました。通常特別展では撮影 禁止なのですが、写真撮影オッケーと言うことで見に来ている人たちは思い思いに写真を撮影していました。私も可能な限りとれそうなものは 全て撮影してきました。それを全部アップするというのは無理があるのでやりませんし、個人で後から見返してこういうのあったなあと楽しむ ためのもの(あるいはSNSで宣伝しておくためのもの)と思っているのでサイトでは貼らないでおこうかなあと思います。どこかにアルバムでも 用意しておくべきだったかなとも思いますが。

写真を撮影してそれを眺めるだけではなく、これは図録も買って帰ろうと思い、購入してきました。そして読んでいると、仮説レベルではあり ますが、「アレクサンドロス・モザイク」の欠損部分(アレクサンドロス大王まわりのモザイクで、下の部分が大幅にかけている)について、 このモザイクが元来床面を飾っていたもので、そのなかで大王およびマケドニア軍と思われる部分が大きくかけているのは、多くの人がその辺り に立ってこのモザイクを見ていたからではないかという見解があることを知りました。近づいてみたいと思う部部は多くの人にとって共通して いたのでしょうか。踏めば壊れやすくなると言うことを考えるとなかなか面白いなと思いましたが、はてさて。


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