新春、国立博物館へ


2013年1月2日、上野の東京国立博物館へいってきました。ここ数年、毎年のように行っていますが、今年も見ておくべきだろうと思ったので、 初詣も近所で行くことにして、色々と見てきました。毎年、パスポートを購入しているのですが、今年は私が家を出たのが遅かったという事もあ り、到着してパスポートを買ったらすでに番号はかなり大きな数字になっていました。一桁を狙ってみようと思ったこともありますが、色々と大変 なのでそれはもう諦めています。

新年の上野の国立博物館では、干支にちなんだ展示が行われています。今年はへび年ということで、蛇にちなんだ展示品を集めたコーナーが設けられていまし た。昨年の辰年のときも結構充実した展示が行われていたので、これは見る前から結構期待が持てます。蛇をどのように表現しているのか、日本と 外国で色々と違いはあるのか、そういったところに気をつけてみてみようと思いました。

干支にちなんだ展示と言うことで、蛇を象った像や画がいろいろと展示されていました。「鳥獣戯画」の一部分に蛇が出てくるので、その場面をピックアップし ている展示がありました(ただ、どう見てもメインは変えるだろうという、そういう場面でしたが)。また、色々な蛇の画が展示されていたのです が、十二支の動物と狸選抜オールスターズの歌勝負をかいた画があり、そこでは蛇は女性の姿で表されていました。蛇というと、手足はないのです が、そういうところをあまり感じさせない擬人化表現がなされていました。蛇を人のような姿で表現すると言うと、新羅の武将金庾信の墓の周りに 飾られた十二支像もそういうタイプでした。顔だけ蛇で、体はなんとなく人間っぽい、そういうものです。で、今回も十二神将像が飾られていたの ですが、頭の上にとぐろを巻く蛇を載せている姿をみて、何かを想像した人はいるのではないでしょうか。

その他、常設展示も見てきました。久し振りに平成館の考古遺物展示をじっくりと見てきましたが、江田船山古墳の鉄剣をきちんと見たのは何時以来のことで しょうか。片刃の直刀の、刃のないほうに銀象眼で文字が書かれていたのですが、この狭いスペースに良く文字を刻み込む事ができたなあと、古代 の技術に感心してしまいました。考古遺物以外の物も改めてみてきましたが、ついつい書を飛ばしぎみになってしまいました。で、工芸品(自在置 物は今のガンプラみたいな物か?)、鎧兜や刀、そして仏像といったもののほうを熱心にみてきましたが、自在置物の精巧さには驚かされます。良 くここまで細かく細工を施し、動かせる像を造ることができたな、と。

そして、本日のお楽しみは、長きにわたる休館がおわり、リニューアルオープンした東洋館です。中国、朝鮮、西アジアなどの遺物が展示されている建物です が、耐震工事などがあり、ここ数年間ずっと閉鎖されていました。その間、一部の遺物をよその建物で展示したりはして いましたが、やはりそれはごく一部であり、きちんと全体を見たいと思うとそれはなかなかできませんでした。ようやく見られた東洋館は、以前よりも展示物の 見せ方(光の当て方、配置など)に工夫を凝らすようになったなあと言うことです。比較的くらい部屋の中で、青銅器がなんとなく浮かび上がるよ うな感じがしたのですが、気のせいではないはず。

中国、朝鮮のものがやはり多いのですが、陶磁器をながめているだけでもなんとなく満ち足りた気分になってしまいました。日本の陶磁器も常設展示にはあるの ですが、青磁や白磁となるとなんとなくこちらのほうが良いものが並んでいたような気がします。ごてごてっとしたものもおもしろいけれど、余計 な虚飾を取り去った磁器(青磁、白磁)をみていると、何か引き込まれそうな物があるんですよね。中国、朝鮮の陶磁器展示で、染付や五彩はとっ ぱらっていいから、もっと青磁と白磁を並べて欲しいと思ってしまうのは私のわがままですが。


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