「パルマ イタリア美術、もう一つの都」展を見る


現在、上野の国立西洋美術館において、「パルマ イタリア美術もう一つの都」という展覧会が開催されています。パルマというと生ハムとか パルメザンチーズ、それとサッカー・セリエAのパルマといった事は思いおこされますが、パルマという町がイタリアの美術を語るうえで実は重要 な町であると言うことは恥ずかしながら今回の展覧会で初めて知りました。

展覧会の構成は1章から6章まであるのですが、6章にあたる部分が突然展覧会の流れの真ん中に来るという、かなり変則的な展示構成になって います。第1章が15世紀〜16世紀のパルマの絵画を扱い、その次の第2章でパルマを代表する芸術家コレッジョとパルミジャーノの作品が並びます。 それから第6章、3章、4章、5章とくるのですが、なぜこのような配置になったのかはあまり分かりませんでしたが、それぞれの章ごとに結構 目立つ絵が配置されていました。

第6章の素描の所は何となく早足になってしまいましたが、ここでは前にイタリアの版画展で見たようなタッチの作品が色々と並べられていました。 もう少ししっかり見た方が良かったかなと軽く後悔しましたが、先へと進んでいきますとパルマ公爵の肖像がいくつも登場します。パルマ公という と、オランダ独立戦争の時にスペイン側の指導者として活躍するアレッサンドロ・ファルネーゼくらいしか名前は出てこなかったのですが、後の代の パルマ公を見ると、何となく顔の下の方がふくれてきているような気がしました。あとは、アレッサンドロ・ファルネーゼが着用したとされる鎧も 展示されていましたが、少年アレッサンドロの肖像と成人したアレッサンドロの肖像画を比較してみることもできます。

また、後半には今回の展覧会のチラシにも使われているスケドーニの作品が展示されていましたが、そういえばスケドーニは「食べる西洋美術史」 でも絵がでていたなと思ってみたところ、「慈愛」という絵画が展示されていました。これがあの本で紹介されていたスケドーニの作品だという ことで、ちょっと他の物より長い時間見たような気がします。

同じイタリアから来ている美術品というと、「受胎告知」が時には行列ができるほどの盛況ぶりなのと比べて、こちらは静かに絵画を見ることが できました。運営側としてはできるだけお客さんが来てほしいと思っているところですが、こちらは安い値段で見に行けると言うことでありがたい ですね。展示されている絵画もかなりよい物らしく(清正の兜にも、のちの敵を首魁するというのは面白いんでしょうか?)、実際とは違うところが かなりあるようです。まだ空いているので、是非見に行ってみてください。


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