日々の雑感(2014年7月〜9月)

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9月25日
下北沢にあるB&Bという本屋へ行ってきました。夏に一度行ったことがありましたがそれはあくまでたまたま立ち寄ったと言うだけで、 今回はそこで開催されるイベントを目的に行ってきました。開始時刻は夜の比較的遅い時間設定だったのですが仕事で予想外に遅く なり、到着したら結構ぎりぎりでした。危なかった。

何があったのかと言いますと、ダンテ「神曲」 トークショーです。 今年、「神曲」の新訳がでましたが、その訳者さんと能楽師のトークショーということで、どんな話が聞けるのだろうと思い興味をもった ため、滅多に立ち寄らない下北沢まで行ったというわけです。

トークショー自体は色々な方向に話がすすむ感じでした。その中からいくつか印象に残った事柄を取り上げて書くと、ダンテは日本の教科書 ではルネサンスの最初の人に扱われるが本来は中世最後の人である/極めて世俗的・生々しい(生臭い)人物/政治思想としてはローマ皇帝 の役割は神聖ローマ皇帝が継承しており教皇は世俗のことに口出しすべきでないというスタンス/「神曲」執筆中も皇帝ハインリヒ7世に会い にいったり檄文を書いて煽ったりしている(そしてそれが丁度「煉獄篇」執筆期にあたり、そのせいか「煉獄篇」の前半はどうも出来が悪い)/ 反省すると地獄に行けない、地獄に行くのはある意味難しい/丁度良く力が抜けた「地獄編」、手抜きのある「煉獄篇」、力が入りすぎの「天国 篇」/ そして「天国篇」は教皇庁から出版がみとめられず死後息子が自費出版/態度がはっきりしない者は地獄にすら入れない/円運動、円と天国、神/ 詩人は天国に行きやすいが散文作家は行きにくい、物語というジャンルごと地獄にたたき込まれている/100歌を少しずつ発表、盛り上げるとこ ろと そうでないところが分かれている/

こういった話も面白かったのですが、「神曲」の一説を能楽師が謡のように読み上げるとこれが実にあっていると言いますか、こう言う能って ありそうな気がします。それにしても全く違和感がなかったのですが、内容的にも能の題材になりそうなところはありますし。なかなか面白い イベントでした。

そして終了後は下北沢でご飯とでもおもったのですが、遅くなりすぎ開いているところが少なく、夕食を食べるのに苦労しましたよ、やれやれ。

9月12日
丸善の洋書売り場が広くなっていた。松丸本舗ができるときに削られ(松丸本舗自体は良かったのですが、スペースが減った)、その後 HMVに変わり、といったぐあいに狭い状態が続いていたのですが、また広くなりました、と言うか昔のスペースに戻ったと言うべきか。 紀伊國屋の新宿南口6階の洋書売り場もちょっと広がった気がします。

自分が読みたいような本が結構多く置いてあり、なおかつ実物を手にとって中身をパラパラと見てから購入できるのは非常にありがたい ことです。

9月7日
8月23日に1行書いたきり止まっている、、、、。何を書こうとしたのだったか今となっては思い出せない。しかし何か書きたいことがあった ために1行書いたのだろうとは思うが、何をしていたんだ、自分?

と、随分間が開きましたが、お久しぶりです。空白の時期になっていますが、色々とやることがあり、時間が無かったものでこちらの更新 がストップしていました。もちろん、この間も本を読んだりはしていました。ダンテ「神曲」の新訳が出たのでそれを読んでみたり、文庫 クセジュのペリクレス時代の本を読んだり、ちょいちょい出歩いたり。ペリクレスの本は校正をもう少ししっかりして欲しいなあと思う 所がありましたし、訳語はそれでいいのかなと思うところもありましたが、紀元前5世紀のギリシア世界の様子をコンパクトにまとめて あって、ざっとおさえるには丁度良いのではないかと思いました。

ダンテ「神曲」はタイトルは聞いたことがある、断片的に内容は聞いたことがある、でも通読したことはなかったですし、一度挑戦して 挫折していた本でした。新訳がでると言うことで読んでみましたが、思っていたよりも読みやすく進んでいきました。ただ、神学とか その辺りについて解っていないと理解できないとおもう箇所も結構あり、解説を読んでからまた読み直してみたいとおもいます。

8月23日
ちょっと暑さが和らいだような気もしましたが、いかがお過ごしでしょうか。


8月21日
まだ世間的には発売されていない世界史リブレット人の最新刊をなぜか発見して即購入。とりあえず読んだら感想をアップしておこう。 ページ数は少ないし、簡潔なまとめみたいな本が多いのですぐ読み終わるだろう。このシリーズも当たり外れはあるなと思いますね。

それにしても、なぜあの本屋にだけ置いてあったんだろう?早く手に入ったのは嬉しいのですが、よそではまだ影も形も見ない状態なので。

8月19日
ラファエル前派 展をみたときの感想をようやくアップしました。日々の雑文の所から行ってください。

8月12日
台風の影響で大雨がふるなど、この季節は仕方ないですね。

それはさておき、歴史について語ってもらうイベントをおこなうと、作家に話してもらおうとする事が結構あるようです。研究者にとって そんな物はやる意味はないと思われているんでしょうか。そんなことでいいんですかねえ、、、。それはさておき、作家の描き出す歴史の ほうが研究者の描き出すそれよりもわかりやすい、取っつきやすいという所があるのかもしれません。ただし、「わかりやすい」「取っつき やすい」ということが結局自分の解る範囲内で収まっているからと言うのであれば、かなりまずいことになりはしないかと心配です。

現代人にとってとっつきやすいというのは、現代人の感覚に近い物があるほどそういう傾向が強くなると思いますが、今と昔は違うんだ ということもわかりやすく伝えて欲しいと思いますね。そして、それは作家ではなく研究者のやるべき事だと思うんですよね。


7月29日
暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか。

「調子に乗る」という言葉について、このように感 じる人もいるようです。

「調子に乗る」という言葉の意味ですが、辞書的には、物事が順調に進んでいることと、おだてられていい気になって軽率な行動を とるといったことが意味で出てくるでしょうか。ちなみに、何気なく英語でどういうんだろうと思って調べるとget carried away という言い回しが「調子に乗る」に該当するようですが、英語の場合は我を忘れる、夢中になる、興奮するといった意味もある ようです。

リンク先の記事を書いた人は、なんとなくですが、“後ろ向き”なことが嫌いなんだろうという気がしました。とにかく前へ前へ、 ということなのでしょうが、前に進もうとして足下を見失ってつっころぶことのないように気をつけた方が良いと思いますね。 とりあえず日本のやりかた=悪い、旧態依然としたものという方向に話しをひっぱろうとするまえに、本当にそれが日本だけの ことなのか、ちょっと調べてみた方が良かったんじゃないでしょうか。

そりゃ、日本のすべてが手放しで称賛できるほど素晴らしいわけではないですが、何でもかんでも否定して悪いという のもだめでしょう。今回の記事に関しては、あまりよい出来ではないと思います(ちなみに、リンク先サイトの他の日 の記事は非常に面白く読ませて頂いたものが多数あります。今回の記事はちょっと駄目だと思うけど、外れもたまには あるということで)。

「調子に乗っている」ときは、確かに順調に進んでいるときもあるでしょう。しかしそういうときに思わぬ落とし穴 があったり、ちょっとした気配りを忘れてみたりといったことがあり、それが少しずつ積み重なっていくと、少し 調子を崩してうまくいかなくなりはじめたときに事態をさらに悪化させるということにもなりかねません。何となく 大スキピオなんかはそういう感じでフェードアウトしていったような印象がありますね。あと、フィロータスも 粛清される要因はそういうところにありそうな雰囲気があります。ディアドコイ戦争初期のペルディッカスもこの 類として扱って良いかもしれません。勢いに乗って攻めていって気がついたら孤立してしまって敗北するという 事例を見かけることもそれなりにあるでしょう。

押すところは押す、引くところは引く、動くときと動かない時を見極める、そういうところに気づくか気づかないか というところが人生を分けることは色々あると思います。「調子に乗って」どんどん進んでいっても良いとは思うけれど、 決して自分を見失うことのないようにしたいものですね。

7月27日
仕事をしていると、理想や夢、そもそも論しかかたらず、実際には何もしてくれない人に遭遇することはしばしばあります。 一方で、目の前のことをこなすだけでの人もいます。人の働き方って色々ですね。

職場全体がものすごい忙しいときだけでなく、忙しくないにもかかわらず自分のしたいことではないからといって拒否する人 もいますが、そういう人については、もうどうしようもないです。そしてそれは年寄り・若手関係なく存在するということも よくあることです。そういう人と自分が関わらなくてはならないときに感じるストレスは通常よりもきついですね…。

それはさておき、現実と言いますか日常業務に追われる中、ルーチンワークをひたすらこなすだけになり、進むべき道を見失 うことや、勢いに任せてどんどん突っ走り気がつくとどうしようもなくなることもあります。そういうときにそこに待ったを かける人が必要になるときもあります。昔の中国の歴史でいうと諫議大夫として唐の太宗に仕えた魏徴とかみたいな人もいな いと、その時の局面だけを見て場当たり的に動くようになってしまいそうですからね。

理想と現実のバランスをどうとるのか、ひたすら理想の実現に向けて他を顧みず邁進するのもだめですし、かといって現実的 と思っているが単なるその場しのぎに過ぎないことに力を注ぐだけでも駄目ですからねえ。そして往々にして当事者になって いると、その辺りの判断がなかなか付かなくなることもあります。組織編成の時にその辺りも考えて、実働部隊とご意見番を わけていくとか、そういうことが必要なのかもしれません。

7月20日
連休って何だっけ?

それはさておき、マレー航空にとって今年は何故このように大変なことが降りかかるのでしょうか。消息を絶ったかと思えば、今度は 撃墜ですか…。同じ会社でこれだけ大きな事故に立て続けに見舞われるということはなかなかないですよ。やりきれないだろうなあ。

家からはかなり遠いところだけど、下北に面白い本屋を発見。行くのが面倒な場所ではありますが営業時間が結構遅いのでたまに 遊びに行ってみようと思う。普通に本を買うだけならネットで良いじゃないかとなる中、書店の方でも色々と仕掛けていく動きを 見せ始めているようですね。大型店じゃない、中小の町の本屋みたいな所だと、単に本が買えるだけじゃない、何かが必要になって きているのでしょう。

7月11日
最近、テレビで項羽と劉邦のドラマを見ています。何かの中国ドラマを録画していた枠にたまたま入っており、そのまま見続けています。 現在、項梁がそろそろ死ぬ頃かなと言う所まで話が進んでいますが、全部で80話もあるそうです。道理で話の展開がゆっくりなわけだ。

向こうのドラマを見ていると、最初のオープニングやエンディングで、随分先の話の場面と思われる画像が結構使われています。ちょっと したネタバレのような感じがするのですが、どうやら向こうのドラマは全部取り終わってから放送するようです。日本の大河ドラマも そういう方法で取ってみたらどうでしょう。

7月6日
国立台北故宮博物院展を見に行ってきました。夕方から行ったのですが、前日までと比べると大部空いてきたようなきがします。 とはいえ、期間限定の白菜を見るために50分並びましたが。

目玉として持ち込まれている翠玉白菜は、大きさと厚みは思ったほどのボリュームではなかったのですが、この石を見て白菜と イナゴ、キリギリスを彫ろうと思ったアイデアは素晴らしいと思います。石の色合いを活かしながら作品を作り上げた職人の 技術のすばらしさが遠巻きに見ていてもよく分かる一品でした。

白菜以外の展示品も素晴らしい物が大量に並べられています。宋磁の良いものが色々と見られたのが個人的には嬉しかったです。 そして、刺繍で描かれた絵にはびっくり。

7月5日
東京国際ブックフェアを覗いてきました。例年行っているイベントですが、ここ数年規模が縮小しているような気がします。 出展している企業の数は多いようですが、合同でブースを出していたり、本を売るのではなく何かの企画をやっていたりという 形で参加しているところが多いようです。電子書籍フェアに半分場所をとられていると言うこともあるのかもしれませんが、 もう少し場所があっても良いのになとおもいます。

むかしはもっといろいろな出版社がブースを出したり、イベントを開催していたような記憶があります。確かこのときに藤原書店 で色々と買った記憶があります。合同ブースになって、置いてある本の量が明らかに減少していますし、もうちょっと何とかなら ないかなあとも思うのですが、仕方ないのでしょう。

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