日々の雑感(2012年10月〜12月)

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12月31日
本について、今年のベストを決めた後でジュリアン・バーンズ「終わりの感覚」のほか、大戸千之「歴史と事実」も追加したいと 思っていたりします。ベスト10冊を決めるのが早すぎたか…。まあいいや、というわけで、今年はベスト12と言うことにしておきます。 まさか、年末になって面白いと思う本が色々でてくるとは思わなかった。

来年(2013年)はこのサイトを始めてから、もう10周年になるんですね。2003年の秋に作り始めてから気がついたらもうすぐ10年、 時間が経つのははやいものですね。しかし、10年近く経ってまだ未完成なコーナーを何とかせねばならないとい思いつつ、なかなか 手を着けられない状態が続いています。。来年けりを付けないと、今後ずっとできないような気がするので頑張らないとな。

では、みなさま良いお年をお迎え下さい。

12月27日
なんか、ずいぶんと間が開いてしまいましたね。今年ももうすぐ終わりなので、今年読んだ本のベスト10を選んでみようと 思います。順位は特にありません。

・ウィリアム・フォークナー「アブサロム、アブサロム!」(上下巻)
・根津由喜夫「ビザンツ貴族と皇帝政権」
・森谷公俊「アレクサンドロスとオリュンピアス」 ・仲丸英起「名誉としての議席」
・コルム・トビーン「ブルックリン」
・ショレム・アレイヘム「牛乳屋テヴィエ」
・デイヴィッド・ブロー「アッバース大王」
・オルハン・パムク「私の名は赤」
・ミハイル・シーシキン「手紙」
・スティーヴン・グリーンブラット「一四一七年、一冊の本がすべてを変えた」
・ジュリアン・バーンズ「終わりの感覚」

以上11冊です。はじめにベスト10を決めたときはまだバーンズを読み終わっていなかったのですが、これがなかなか面白く、 ベスト10に改めて追加しました。なので、今年はベスト11になっています。

本の種類としては外国語文学の翻訳物と歴史の本で占められています。あまり日本人作家の本ってよんでないのと、それほど 凄いかなあという感想しかでてこなかったり。世間で評判の「光圀伝」もなんとなく登場人物が類型的というか、現代のエンター テイメント系の本にはこういうキャラクターって良く出てくるよねという感じで、それほど心に残る物はありませんでした。 まあ、軽くながして読むには丁度良いですが。

ジュリアン・バーンズの「終わりの感覚」をよんでいると、歴史屋に対する痛烈な皮肉を感じてしまうのは気のせいでしょうか。

12月13日
トマス=アクィナス「神学大全」の邦訳が完結したということを最近知りました。翻訳開始から半世紀をかけた一大事業、 翻訳に関わった人も15人、全部で39冊というということで、良く完結できたなあと思います。これだけの訳業をこれから    先、できるのかどうかを考えると、かなり厳しいんじゃないかなあ。日本語でそれなりのレベルの内容を扱った本が読める    ということのありがたさを実感することが多い今日この頃、こういう物がでるとありがたいです。

翻訳により、よその学問を取り込んで発展させたというと、イスラム文明の話を良く思い出します。あれも、アラブ・イスラム 文化圏以外の処から学問やシステムを取り込み発展させ、さらにかれらの活動が他の地域に影響を与えていく、そういう流れに 翻訳活動が深く関わっているということでよくでてきますよね。

12月10日
さあ、あと3週間で今年も終わりです。がんばらねば。

年末年始が近づくと、なんとなく気ぜわしくなるようなかんじがします。別に何か忙しいことがあるわけでない時でも、 せかされているような雰囲気を感じることもありますし、忙しいときであればさらに増していくような感覚があります。 来年はこんな事にならないように、と思っていても、また1年後には同じような状況になっていることもあります。 つくづく、学習能力のなさに嫌気がさす。

12月3日
ジョジョの奇妙な冒険がアニメになり、楽しく見ている今日この頃、皆様いかがお過ごしですか。

一人で飲んでいて食べ物を食べているとき、別のお客さんから「孤独のグルメ」みたいといわれた。あんなに心の中で呟いていない けれど、なんとなくそう見えるらしい。はたしていいのか、それで。

こちらの掲示板で、新刊情報を拾っていたの ですが、 最近更新がありません。 情報を提供して下さる方が体調を崩しているのかもしれません年(以前もそういうことがあった記憶があります)。こちらで 古代関係の書籍の出版情報を調べてから本屋に行く、図書館へ行くと言うことが結構あったので、どなたかが継続していただ けると良いのですが。

12月2日
久し振りに図書館に行って勉強(というか読書、調べ物ですが)。えらいはかどったなあ、うん。自分でもびっくり。

それはさておき、武士の出現について、どうまとめたらよいのやら。なんか難しいなあ、この辺って。

さあ、ことしもあとわずかになってきました。年賀状のデザイン、まだ考えてないけどおわるんだろうか?

12月1日
そういえば、最新号のアフタヌーンに「ヒストリエ」が久々に掲載されていました。スキタイとの戦いを終えて帰る途中、 トリバッロイ人に遭遇した時の出来事が掲載されています。果たしてどうなる…?

いよいよ今年もあと1ヶ月ですね。何か自分も突発的に忙しくなってきました。今年は楽できると思ったんだけどなあ。

11月25日
スティーヴン・グリーンブラット「一四一七年、その一冊がすべてを変えた」を大体読み終えました。ブックハンター・ポッジョが 南ドイツの修道院でルクレティウスの「物事の本質について」を発見し、その写本を作成したあと、じわじわと其れが広まり、 人々の認識に影響を与えていくという話。その合間に挟まれた古代のエピクロス派哲学や、キリスト教の出現と古代学術の終焉、 さらにローマ教皇庁の堕落っぷり、コンスタンツ公会議による運命の変転等々、面白いネタが結構載っていました。

ただ、解説の文章はいらなかったかな。読み物としておもしろくなかった。あと邦題に引きずられて偶然史観云々というお話を していましたが、そこまで一冊の本で引っ張ってはなかったような気がします。古代世界において書かれ、その後写本として 残されたある一冊の著作を覗き穴にして、歴史を眺めてみたという感じで、要はタラとかチョコレートとかを切り口に歴史を 見ているのとそれ程変わらないんじゃないかと。なんであの解説が付いたのか?

11月23日
午前中から暇になったため、新宿へ。METライブビューイングをみてきました。メトロポリタン歌劇場で上演された オペラを映画館で見るというものですが、これが思ったよりも面白く見られました。幕間には次に向けたセッティング など裏場面はみられるし、視点が結構切り替わるので普通に舞台で見ているときとはまた違う感覚で見ることが出来 ました。

演目はヴェルディ「オテロ」、カメラが結構ズームして表情を映すのですが、イアーゴにだまされて破滅へと向かって いくオテロのこわれっぷりが目つきなどから非常に強く感じられました。これは映画館で見ていたからこそ感じられた ことだろうなと。ほんと、壊れていく様子がこわかったです。で、突然イアーゴに騙された状態が解けたときとの差が 大きいんですよね。

11月20日
書店にて、ルーカーヌス「内乱 パルサリア」を購入。カエサル対ポンペイウスの戦いを題材にした叙事詩です。 著者はネロ帝の時代の人ですが、カエサルに対しても結構厳しい調子で書いていたりします。当時の皇帝の(一応) 祖に当たる人に対してここまで厳しい調子でかけるというのは何とも不思議な気がします。まあ、ルーカーヌス は最終的にはネロに対する陰謀に荷担したため自殺することになるのですが。

で、この叙事詩は、カエサルとポンペイウスの戦いからだいたい1世紀くらいたったころに書かれています。いまの 日本に無理矢理当てはめると、坂の上の雲の日露戦争の辺りの話を、技巧を凝らしこねくりまわして、かなりくどい 感じに仕上げるとこういう感じになるのでしょうか。司馬遼太郎のもとの本とは違う意味でくどくなりそうな気がする ので、あまり読みたいとは思えませんが…。あと、そんなのかくと、「史実と違う(キリッ)」と突っ込んでくる御仁が いそうだし。

11月18日
何年か経ってから読み直してみると、面白く読める本ってのは今までにも何冊かあります。昔読んだ時は、何だか分からない ままおわった物もあるのですが、それを読み直してみたところ、昔は良く分からなかったことがすこしわかるようになって いたり、昔読んだ時には気づかなかったことに気づいたり、何か新鮮な感じがしてよかったです。

あ、最近読んで面白いなと思ったのは、パトリック・ギアリ「ネイションという神話」です。数年前に読んだ時はあまり ピンと来ないままおわってしまったのですが、古代の民族史記述が多くの人に影響を与えていたこと、また同じ本でも とらえ方が180度ちがうこともあるなど、なかなか興味深かったです。

11月15日
うちのサイトには、東京都内のロシア料理店、中東系料理店のリストのような頁があります。ここ数年の動向をもうちょっと フォローしてみようかと思います。新店ができたり、閉店したり、オーナーが交代して店名や料理が変わったりと、いろいろ ありますので。

今年発見していったお店では、ウズベキスタン料理(ただし、トルコ料理屋ロシアの料理もでてくる)のお店が結構良かった かなとおもいます。ただ、こう言う系統のお店は大人数で予約を事前に入れた方が色々と食べられるので、一人で行くには むかないかなと思いますが。

11月12日
ヨーグルトにスパイスを混ぜて肉を漬け込んで焼いてみた。インド料理に良くある技法です。ただ、日本の家にタンドールを 備えている処などほとんど無いわけで、それが問題ですね。魚焼きグリルでやるとしても一寸無理があるかなと思うし、かと いって普通のフライパンで焼くのも少し味気ない(それでも十分美味しいとは思いますが)。

誰か手軽にできる方法を教えてください。

11月11日
新潮クレストブックスの新刊、シーシキン「手紙」を読む。一度読んだだけでは私の頭ではよく分からないところもあるけれど、 過去から未来まで直線的に時間が流れるというイメージでは理解できない物語だとはおもいます。何というか、パッチワークの ようにいろいろな時間が継ぎ合わせられているような、そんな感じ。

で、この話は義和団事件がでてくるのですが、後書きを読んでいてロシアでは義和団事件について教えていないそうです。日本 で日本史ないし世界史をやっていると、義和団事件の時に日本とロシアが多くの兵士を派遣し、八カ国連合軍の主力となったと いうことは習うはずですが、国によって色々と違いがあるんですね。

ウィリアム・バウズマ「ルネサンスの秋」をぱらぱらとよむ。なんだか教科書みたいな感じだなあ。色々なトピックが載っている という作りがそう感じさせるのかもしれません。訳者のかたが後書きで参考文献が英語ばかりだといっているところも、初学者向け の概説書のような本なのではないかと。日本だって世界史の概説書見ると、参考文献は日本語ばかりだし。

11月10日
英語で英語の授業をする…、なんか変な感じが。授業として実施する内容って、知らないこと・分からないことを扱っていくことが 多いわけで、その時点で生徒が分かっていない事柄について、生徒が分かっていない事柄を手段として教えるって何を教えるのか 具体的なイメージがあまりわいてこなかったもので。

あえてイメージするとしたら、小学校の国語の授業みたいな物をイメージすればよいのでしょうか。ただ、そうなるとかえってやる気 を失わせるようなことになるんじゃないかという心配もありますが…。相手は高校生ですから。中学3年間でどれだけ英語の基礎固め ができるのか、そして英語嫌いにしないか、そこが難しいんだろうなと思いますが、どうなりますかね。

英語ができないことにより何が起きるかを淡々と語り、それにより生徒に恐怖心を引き起こして死にものぐるいで勉強させるという 展開になりそうな気がするんだけどなあ…(まあ、多分プレッシャーがかからないとなかなか勉強しないし、大概の生徒はドロップ アウトすることへの恐れから必死で勉強するだろうけど、完全に諦めて何にもしなくなるという事態も想像ができるし、難しいですね)。

11月1日
六本木に出る機会があり、国立新美術館のリヒテンシュタイン展へいってきました。リヒテンシュタイン侯国で現在もなお続く収蔵品収集、 そこで集められた美術品の中からいくつかを日本に持ってきた展覧会です。感想は後で改めて書きますが、なかなか見応えもあって良かっ た です。

久し振りに図録をかおうかどうか迷いました。また見に行く機会もあると思うので、その時までに考えておきます。

10月31日
神保町の古本市は、今年は一寸覗く程度にて終了。いまのところ、これはと言う物は無い感じですが、まあ、そういうときもあるよね。 ブックフェスのほうは時間が無くて行けず。こちらの方が実は一寸楽しみだったのですが、初日は行ったら既にお片付け、二日目は雨 だったのであきらめました。

で、今回は古本市とは関係ないところで本を少し買いました。クセノポン「アナバシス」(岩波文庫)がなぜか300円で出ていたので 何だろうと思ったら、蔵書印が押してあったので安くなっていたようです。別に蔵書印があるだけなら問題無いと思うので、購入して きました。あと、帰宅途中にブックオフを覗いたところ池上俊一「パスタでたどるイタリア史」が半額くらいで出ていたので、これも 買いました。岩波ジュニア新書は、中高生向けと行っていますが、決して手抜きというわけではないので、大人でも読んで面白いもの がいくつかあるので、楽しみです。

10月21日
久し振りの更新となりましたが、今回も歴史の記事の更新は無し。読書コーナーをちょっといじったくらいです。

そういえば、10月20日でサイト開設9周年ということになりました。しかし今回も歴史の記事のアップはできず。 いい加減何か仕上げないとなあ。来年の同時期までには何とかしたいところです。今後もゆるゆるとサイトを続けて 行くことになると思いますが、今後もよろしくお願いいたします。

10月4日
早稲田穴八幡の古本市へと言ってみました。収穫はまずまず。専門書で特に欲しいと思う物は無かったのですが、一般書 でちょっと気になった物があったので、買ってきました。これから読もうと思います。

今月末から来月初めにかけては神保町の古本市があります。今年は果たしていけるんだろうか…?ちょっと難しいかも しれません。

10月1日
10月1日、東京都では都民の日ということで学校は休みだったりしますが、それ以外は全く関係なかったりします。皆様いかがお過ごし でしょうか。

昨晩から雨と風が強く、果たしてどうなる事かと心配しましたが、朝になってみると何かもう全部おわってしまっていました。 まあ何事もなくて良かったです。こういうときにすぐに交通機関がだめになるからなあ。


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