日々の雑感(2006年1月〜3月)

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3月31日
職場に行って机の掃除をしてきました。かなり時間がかかってしまったかな。とりあえずは引っ越し完了ということで。

明日から4日まで所用で出かけています。メールのチェックなどは出来ませんのであしからず。

3月29日
先日「北斗の拳」を見にいってきましたが、そのときから何となく思っていたことでも。ラオウの兜には二本の角が付いていますが、 角の生えている向きなどから考えるとあれはやはり牛ではなく羊の角を模しているように思われます。そして、羊の角を付けた姿で 描かれる歴史上の人物というと、やはりアレクサンドロス大王をおいて他にないと思われます。イスラム世界の説話ではアレクサンドロス は「二本角(ズ=ル=カルナイン)」と呼ばれ、神から強大な力を与えられて世界征服者となり、さらに預言者として世界各地を旅する話が 残されています。アレクサンドロスの「二本角」は神から授かった物で、力の象徴として考えられているようです。二本角が力の象徴 ということで、やはり「世紀末覇者・拳王」ことラオウの兜にも二本角が生えているんでしょうか。なお、アレクサンドロスの説話については その後の話もあり、預言者として西へ東へと旅するアレクサンドロスがある町で非常に優れた生き方をする敬虔な人々に出会って己の限界 を悟らされるという話も伝わっているのですが、トキとかユリアとかケンシロウとかはそっちにあたるのかな。ただ、彼らとの出会いで 生き方を変えたのかと言われると一寸怪しいんですが。
すみません、何かどうでもいい妄想を書き連ねてみました。

そう言えば、明日は「ニセ科学」についてのシンポジウムが愛媛大であるそうです。ただ、物理学会の会員でないと見られないとか。 マスコミでも紹介していたりするので、それで人が大勢来たときに色々と大変だからなのかはさておき、できればこういうのは一般にも 公開してほしいと思います。ただ、話の題材はさておき話者の話が果たして面白いのかどうかはわかりません。学者さんのお話だったと 思うので、たぶん話術の面白さとかにはあまり期待しない方がいいかもしれません。

3月25日
本日、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」を吉祥寺にて鑑賞してきました。物語はアメリカのとある田舎町でダイナー(日本の喫茶店 みたいな感じの店ですが)を経営し、妻と2人の子どもと平和な生活を送っていた主人公トムが自分の店を襲った強盗を倒したことが きっかけでテレビや新聞に大きく取り上げられますが、それを見た彼の過去を知る黒社会の人々が彼の目の前に姿を現し、いままでの 平和な生活が徐々に変わっていくとともに彼自身の過去も明らかになる・・・とでも書いておけばよいのかな。

主人公のトムとって、今、本当の自分はトムであってジョーイではない(ジョーイは砂漠で死んだという台詞にそれは現れていると思います) けれど、はたして過去の姿を知ってしまった妻や子ども達とどのように向き合っていくのだろうか、また妻や子ども達は優しい夫・父親が実 はその手を血で染めてきたことをしってどのようにトムと接していくのか、エンディングを見るとそれを知った上でこの家族がどうなるのかを 色々と考えさせられます。

3月24日
「北斗の拳」を見た後に良く行くバーにてビール3種類。3日あけて飲んだビールは美味しかったが量が多いなあ・・・。

「北斗の拳」を見て何か思いついたのですが、何だったかな・・・思い出せない。

3月22日
いままでDVDは見るばかりで録画をしたことはなかったのですが、そろそろDVDを録画する事にも慣れておかないとこれからは不便だろう とおもったため、さっそく試しにいろいろやってみました。しかしいきなりDVD-RWとDVD-RAMのどちらに対応していたのかを忘れて しまい、両方かってしまいました。まさか2枚買って1100円もするとは思わなかったです。

で、何を録画しているかと言えば「エル・シド」です。3時間あるので、長時間録画のモードでとっているところですが、はたしてきちんと とれているんでしょうか?

「エル・シド」の見せ場というとバレンシア攻防戦のあとのムラービト朝との決戦ですが、映画でもスペクタクル史劇というとやはり見せ場は 戦闘シーンという事が多いように思われます。歴史上、戦争を題材にした文学作品は古今東西色々と残されています。軍事を生業とする者 に対するあこがれの念のようなものも残っているようです。日本でも戦国大名や三国志の武将が人気があることや、戦争嫌いの兵器好きと いう人がいること、また武士というものをある種理想化してみているところ等を見ていると、戦争やそれに関わる物がきわめて魅力的であ ると言うことを否定することは極めて難しいことのように思われます。果たしてアレッサンドロ・バリッコの言うように戦争に替わる美学 という物は何か確立できるのでしょうか。

3月21日
休日は遅く起きて「パパは出張中!」や「ノン、あるいは支配の空しい栄光」を見直したりしながら過ごしています。些細な冗談が原因で 父親が強制労働をさせられ、解放されるまでの2年間の少年マリクとその周りの人々を描いたクストリッツァにしてはかなり静かで穏やかな 作品です(実は結構好きだったりします)。この映画を見ていると、クストリッツァは1980年代前半の時点でチトー死後のユーゴの行く末に ついてかなり不安な気持ちを抱いていたのではないかという気がしてしまいます。単なる体制批判映画としてでなく、ユーゴの行く末に対する 懸念のようなものを夢遊病のマリクの存在に感じてしまいましたがちょっと無理があるかな。

3月20日
ここ一週間のことを適当にまとめると暴飲暴食でこれはやばいと思う状況になったと、「ロスト・イン・アナザー・アメリカ」のパンフを 一部分だけ入手したところ、ほとんど「アレキサンダー」関連の話題だったことでしょうか。あとは、ナマズ料理屋(大久保)に行って ナマズを堪能したと言うこと程度です。さて、今日から本気で減量モードに入らねば。

3月13日
もうそろそろ第1次マケドニア戦争の辺りは更新できそうな気がします。しかしまあ、随分と放置してしまったな。

それはさておき、うちのサイトに人が来るときと言えば岩明均「ヒストリエ」の単行本が出たときが一番多かったりするのですが、 やはりエウメネスが活躍した時代に関して扱っている本が少ないからうちみたいなしょうもないサイトに人が来るんだろうなあ。確かに日本 国内でマケドニアとかアレクサンドロスとかヘレニズムとかやっている人は非常に少ないですが、そのごく僅かな人たちがもうちょっとこの 辺に関して本を書くなりなんなりしてほしいなあと思ったりするわけでして。例えばエウメネスが最初に仕えたフィリポス2世の時代について、 うちのサイトのマケドニアし関係の参考文献のところにも名前が出てくる 澤田典子・静岡大助教授の博士論文が あったりするのですが、これなんか出したらたぶん買う人はいると思うんだけどなあ・・・・。少なくとも私は買いますが。 できれば注もしっかりついた論文のままで出してほしいと思ったりもします。博論をベースに選書や新書、単行本を書かれる方は結構いますが、 やはり詳しく知ろうと思ったらおおもとの論文で確認したりする方がいいですし。

あとはディアドコイ戦争やアンティゴノスおよびアンティゴノス朝について色々と研究する方が出てくるとか、横文字文献の翻訳でもいいから アンティゴノスやエウメネスに関する本を出すとか(実際、彼らに関する研究書はあります)、そういうことをしたら今の時代なら結構売れる 野ではないかという気がするのですが、ちょっと甘いかなあ。西洋古代史に興味を持ってもらう絶好のチャンスであり、ちょっと商売ッ気を 出してみてもいいのになぁ。これから後のことを考えるとファン層を広げておいた方がいいような気がするのだけれど、こればっかりはここで あれこれ書いてもしょうがないか。

3月11日
ようやく「ホテル・ルワンダ」を鑑賞することができました。今週はZガンダムを見に行ったり劇を見に行ったりはしていましたが、 それらについてのコメントはまあ置いておいて、こちらから。

ルワンダ虐殺が何故起きたのか、それがどのように進んでいったのかを追っかける映画ではなく、あくまでルワンダ虐殺というとんでも ない事態のまっただ中に置かれた時に主人公ポールが身近な人や逃げてきた難民達を救うためにハッタリかましたり持てるコネやお金を すべてつぎ込んで奮闘すると言う映画です。ただ、主人公がデンゼル・ワシントンやウィル・スミス、ウェズリー・スナイプスではなく 普通の人っぽいのでかえって良かったのではないかと思います。前述の3人だと彼らが超人的活躍をして敵をバッタバッタと倒したり、 虐殺があっても全くそれが深刻に見えなかったりしそうですから。こういうシチュエーションに置かれたときに人の価値というのが分かる んじゃないかと言う気がしてくる、そんな映画でした。

3月7日
ロシア料理コーナーを東欧料理とかに替えてみようかと思う今日この頃。単にルーマニア料理のお店を発見したからなのですが。

そろそろ「ナルニア国物語」の感想を書いてもいい頃かと(すでに公開されてますし)。なんとなく「ナルニア」と「指輪」を 比べると、「ナルニア」が初期のガンプラ、「指輪」がマスターグレードなど最近のガンプラのような感じがしてきます。それは まあ色々な意味でそういう風に感じると言うことです。

「グラディエイター」の成功以降、「トロイ」(個人的には認めたくないけど)、「キング・アーサー」、「アレキサンダー」、 「キングダム・オブ・ヘブン」とスペクタクル史劇が多数作られています。しかしこれらの作品は膨大な制作費を投じなくては ならないため、かなり作るのは大変なようです。しかし作るのが大変だと言うことで歴史映画が作られなくなると言うのは少々 困るので、何かいいアイデアはないかと思ったとき、ふと思いついた題材があります。

何となく思いついたのは「デモステネス」とか「キケロ」といった弁論家を中心にした映画でも造ってみたらどうかと言うことです。 彼らを主人公にすれば、中心になるシーンは戦闘シーンではなく、彼らが演説をしている場面になります。それならさほどお金を かけることなく歴史映画が作れるのではないかと思いますがどうなんでしょう。法廷や演説のシーンが一杯入った映画を良く作る アメリカの嗜好にこれ程マッチする題材はないんじゃないかと思いますがだめかなあ・・・。

3月5日
本日、久しぶりに渋谷に行ってきました。「アイルランド映画祭2006」を見に行くためです。しかし当初予定では早起きしていくはずが 予定が狂って遅くなり、見ようと思っていた映画を一本見逃してしまいました。チケットを買って暫く町をうろちょろしていましたが、 渋谷はやはり変わった人が多いですねえ。ヤマンバもいましたし、妙な感じに髪を刈り上げた人もいたり、赤い星のついた旧共産圏っぽい 帽子を被った人もいたり・・・。

で、見てきた映画は「大鴉が飛ぶとき」というヴァイキングを扱った映画でした。といっても、別に歴史映画ではありません。どちらか というと、これは時代劇と言った方がよい映画でした。物語は両親を殺された男の復讐劇ですが、これが色々な陰謀を巡らせて宿敵を討 とうとするという展開で(結構謀略を巡らしていたような感じでした。色々と身分を偽ったりしていたし)、しかもさらわれた姉は宿敵 の妾になって子供を産んでいたりします。最後も、その子供が主人公に対して復讐しようとして、土中に埋めた武器を掘り出して終わるという ものですが、アイスランドの過酷な自然を舞台に血なまぐさい復讐劇が展開されていきます。音楽の感じなどがどうも西部劇っぽい感じ でしたが、睡眠不足がたたって前半うつらうつらしていたと言うことを差し引いても面白かったです。

その後新宿で飲んで帰宅。2日連続でかなり飲んでいます。ちょっとどころじゃなく危険かも。と言うことで暫く肝臓を休めることにします。

3月2日
あっという間に3月です。時のたつのは早いものです。

mixiなどのSNSの活動にシフトしていく人を見ると、古代末期に都市を捨ててヴィラに引きこもっていく資産家のように見える今日この頃。 まあ、知り合いと話したり情報交換したりするのが楽しいのでしょう。でも、それだったらメールでいいような気がします。せいぜいメール のやりとりで事足りるような事をわざわざあのような形でやる事の必要性があまりかんじられません。それはそれでいいとしても、そっち に力を注ぐようになってサイトやブログを放置するというのはあんまりいい感じはしないですね。まあ人それぞれなのでいいのですが・・。 私もmixiにちょこっとだけ入ってみたことはありましたが、あまり面白いと思えず、1ヶ月で辞めました。mixi内にもコミュニティがあって、 同好の士はそこに集まっているのですが、そこから色々たどってみようと思っても、日記の設定が友人じゃないと見られないというのでは、 とっかかりも何もあったものではなく、そこから色々と広げて行く事はきわめて難しそうでした。色々な人と意見を交わしたり、雑談を交わし たりするのであれば閉鎖的なmixiをやるよりも、他人に対してより開かれたサイトやブログの方が面白いという感想を持っています。色々な ひとがふらっとやってきて、そこから何か貴重な意見などを得られることもあるわけで(もちろんそれにより嫌な思いをすることもあるとは 思います)、その可能性を狭めているmixiでできることは旧友との交流程度だと思われますがどうなのでしょう。

なお、個人的にはmixiでうちのサイトのことを話題にされることについては余りよい気分ではありません。自分が全く見られなくなっている場所で 何か色々言われるということは、例えそれがよい物であってもすっきりしないものがあります。

2月28日
最近知ったのですが、日本の「南極物語」がアメリカでリメイクされて、しかも全米1位取っちゃったとのこと。それにしてもなぜ 南極物語をリメイクしようなんて思ったのか、それが謎ですが・・・。アニメだけじゃ足りなくなったか?そもそも、一体どこで 南極物語の存在を知ったのか、それがまず不思議でしかたありません。

人のふり見て我がふり直せ、ということでもあるのですが、周りの目も全く気にせずはしゃぐ様というのはかくも見苦しき物なのかと・・・。 何だか自分の姿を見ているみたいで嫌になりますね。映画「サイドウェイ」を見たり、色々とうろちょろしていて改めて実感しました。

2月26日
昨日はナルニア国物語を見てから帰ってきたところ既に午前1時を過ぎていました。それからオリンピックを見たりしながら過ごした 結果、今日は起きたら午前9時過ぎ・・・。今日は第4回東京リアルエールフェスティバルに行かねばならなかったので少々焦りまし た。なんとか身支度をして会場へ向かい、色々な日本の地ビールを飲んできました。かなり飲んだので、これで1月以上は持ちそうな 気がします。さあ、節制するぞ。

リアルエールフェスティバルの感想としては、ビールはアメリカ系の物が多かったようでした。同じエールでもイギリス系を飲むこと が多い物としては滅多に飲めない色々な物が飲めて楽しかったですよ。しかしいくら一杯120ミリくらいといえ、それを10杯以上飲む というのは明らかに飲み過ぎだったかなと反省しています。ここ2,3ヶ月で一気に体調が悪化しつつあるような気もしますし、暫く 飲む量を減らし、食べるものに気をつけ、少しばかりジム通いを再開してみたりしながら何とか頑張ってみます。ズボンは前とそれ ほど変わっていないような気もするんだけど、他がかなりやばいです・・・。

2月23日
暴君と名君は紙一重といいますか、どの視点から見るのかによっても大きく変わってくるように思われます。「暴君」としてのイメージ が広められているネロについても民衆にとってはパンと見せ物を提供してくれる良い皇帝だったり、五賢帝の一人であるハドリアヌスも 元老院議員達にとっては暴君であり、その死後にはあやうく神格化拒否や記憶抹消の刑にあいそうになっています。そもそも、「暴君」 や「暴政」の定義が皆バラバラである場合にはこの手の話はただただ拡散するだけのような気がします。

法の保護の下から外されると言うことは刑罰の一つとしてしばしば行われていますが、室町時代には政治的に失脚してしまった人々の 屋敷も近隣住民が押しかけて略奪を働いていったと言うことが知られています。細川頼之が失脚したときも主を失った屋敷に人々が押し かけて屋敷の略奪を働いていますし、失脚して京都を去るにあたって屋敷を焼き払った後にはそこに近所から人々があつまって物を取って 行ってしまったことが知られています。中には没落を見越して待ちきれなくなった人が屋敷に乱入してということもあったり、赤松満祐の ように京都を引き払った後に屋敷が略奪されるのなら、ということで自ら屋敷に人々を導き入れ財宝をくれてやったという人もいます。 赤松満助みたいなのは例外的なケースではありすが、落ち武者狩りが公認されていたのと同じように政治的に失脚した物からは何を奪って 行っても構わないというような認識が当時はあったようです。

2月17日
中世人というか室町時代の人々って結構陰湿だよなと思う今日この頃。恨みは忘れず、表向きの礼節は欠かさずという裏表のある態度 をとりつづけるというのは怖いですね・・・。単純に怒って暴力行為に及ぶこと等よりにはるかに洗練されたやり口ではありますが。 恨みや怒りの発露の方法にも「文明化の過程」というものがあるのでしょう。

こういうのをみていると、アレクサンドロスの東征中にバビロンが抵抗せずにあっさり門を開きアレクサンドロスを入れたというのも、 それこそハンムラビ王以来の文明の積み重ねがあり、それ以後もアッシリアやカルデアなど支配者の交替を経験しているバビロンおよび そこの支配者層の連中が心の奥底では反アレクサンドロス感情を抱き続けつつ、表向きは儀礼的かつて丁重な態度を見せていたんだろうな と言う気がしてきます。実際、バビロンから『王の予言』と称する文章が出土し、そこにはダレイオス3世に非常に好意的な伝承が残って いることからもそのような感情を人々が持っていたことが見て取れますし。ペルセポリスはアレクサンドロスに反抗して町は略奪、宮殿は 後で焼かれるという結末をたどりますが、東部のペルシア人貴族とバビロンの支配者達の間での恨みや怒りの表現法の洗練度の差が現れて いるような気がします。ペルシア貴族というとヘロドトス(だったか?)に「馬に乗り、弓を射、真実を語る」ことが美徳とされていたと かかれていましたが、それで失敗したんじゃないかと。

裏表があるというのはあまり気持ちのよい物ではないけれど、あまりにも単純に思ってるところをあけすけに語る方々が妙にもてはやされる 昨今の風潮を見ていると、文明から野蛮へと退行しているのではないかなどとちょっと考え込んでしまうもので・・・。あれが、「本音で 語る」という一つのポーズとして行われてるのか、はたまた思ったことがすぐに口に出てしまうのか、それは私には分かりませんが。

2月16日
帰宅した時点で既に日付は変わっていますが、16日の夜に「クラッシュ」を見てきました。「ミリオンダラーベイビー」の脚本を書いた ポール・ハギスの監督作品ですが、どうしようもない人種差別主義者だが父親思いだったり危険を顧みず人を助けに入る警官、裏取引で 真実を闇に葬ってしまう刑事と検事のやりとりがあったり、単純に善・悪と割り切れないグレーなものを描かせると「ミリオンダラ ーベイビー」の時と同様にうまいなと思います。物語はある殺人現場で若い男性の死体が発見されたところから時間がさかのぼり、 ロスに生きる様々な人種・階層・職業の人々が衝突を繰り返していく様が描かれています。人種間の偏見に基づく対立(黒人と白人の対立 だけでなく、有色人種同士の対立もあります)、持たざる者の持てる者に対する羨望(白人の検事夫妻と同じ種類の車に乗っていた黒人 はかなり大変な経験をすることになります。警官に屈辱的な扱いをされたりカージャックにあいそうになったり)などを描き出しつつ、 それでも最後は何となく希望を抱かせるようなラストに仕上がっています(様々な問題は解決したわけではないのですが・・・)。群像劇の ため、話がつかみにくいという人もいるかもしれませんが、それぞれの登場人物が思わぬ処でつながりがあったりします。常に衝突を し続けながらも人はつながりを持ちながら生きていくもの、衝突とふれあいはちょっとしたことで変わるもの、そんなことをふと思う 映画でした。

話のツナギが非常にうまい映画で、それぞれバラバラに見える人々の話がうまい具合に繋げられている感じですし、映像面でも次の 場面への展開が非常にスムーズでした。この辺も非常にうまい作りになってますね。映画としての作りも非常に優れていますし、見ると 色々と考えさせられるところもありますし、お薦めです。ただし、新宿で見たのですがなぜか良く音飛びがしていたため、日比谷のほう でみたほうがいいかもしれません(あんなに音が飛ぶとはねえ・・・)。

2月13日
「死者の書」の感想も纏まらぬうちにまた映画を鑑賞。陳凱歌監督最新作「PROMISE(原題:無極)」です。映像の色遣いは結構凝って いるのかなともおもいますが、意図的にいかにもCGっぽくしたことの効果は果たしてあったのかよく分かりません。物語については正直 あまり覚えていませんが、何とも不思議な映画でした。

2月11日
本日、久しぶりに映画を鑑賞。見てきた物は川本喜八郎「死者の書」です。人形劇「三国志」や「平家物語」は見たことがありますが、 三国志や平家物語は人が棒で動かしている人形劇でした。しかし今日見てきた死者の書は人形を使ったアニメーションで、ちょこっとずつ 動かしながら撮影していくという非常に手間のかかる方法で撮影されていました。折口信夫「死者の書」のアニメーション映画なのですが、 簡単に分かるような映画ではなく、色々と考えて感想を書いてみたいところですがそれはもうちょっと後で。

2月5日
久しぶりの休日。来週は休みが全くないのでここで寝だめしておかないとやばそうだ。と言うことで家でごろごろしています。 実際には色々買い物をしてしまったため金欠状態のため家にいて本を読んだりネットにつないだり仕事の準備をしようとしたりする 位しかする事はないのですが。

昨日は注文していた本が届いたり、ほしいと思っていた本がたまたま丸善で売っていたためお金をかなり使うことになりました。 今月と来月は大赤字確定ですが、一冊はアレクサンドロス大王の時代についてサイトを作っている物としては実質的なマストアイテム と言ってもいい人名辞典のような本(洋書です)、もう一冊はクレオパトラ関連の本(これも洋書)です。クレオパトラと言っても 有名なあのクレオパトラではなく、クレオパトラという名前を持つマケドニアやヘレニズム世界の女性たちのことでプトレマイオス朝 の事が多く見られます。2冊とも今後のサイト作りに使えそうかなと思いますがはたしてどうなりますか。

1月31日
なんとなく、うちのサイトに人が大勢来るときはエウメネスとかヒストリエ関係で何かあったときのようです。「アレキサンダー」 公開時も少しは人は来ましたが、「ヒストリエ」の単行本が出たときと比べると微々たる物です。ひょっとして、うちのサイトでは ヘファイスティオンに対して辛辣な評価(どこからどう見ても無能呼ばわりしています)をしているからか?いや、きっとそうだから にちがいない、うん。

行きつけの(というにはまだまだ修行が足りませんが)バーにてそのお店でしか飲めないハウスエールを最近飲んできました。以前から お店のオリジナルのハウスエールを作っているという話は聞いていたのですが、当初予定より少し遅くはなったもののようやく飲める ようになったようです。飲んだ感想は、これはかなり飲みやすいタイプだということですね。あまり甘くもなく、結構飲み口はすっきり していて、それでいて微妙に苦みもある(でも普通のビールのイメージで飲むと苦みはあまり無いと思います)という具合で、これからは お店に行ったらまず最初の一杯はこれで決まりでしょう。どこのお店かは秘密ですが・・・(言って大勢押しかけられると自分が飲む分が 無くなるかもしれないし)。

1月28日
久しぶりに映画鑑賞をしました。見た映画は「イノセント・ボイス」と「白バラの祈り」というどちらもかなり重い題材を扱った映画です。 内戦が続くエルサルバドル(家の中にまで弾丸が飛び込んでくるなんていうのは正直日本で暮らしていると全く想像がつかない世界です) という絶望感漂う世界でも楽しみを見つけながら暮らす子供達の姿をみると長々とあれこれ書こうという気力がなかなか出てきません。 政府軍が徴兵(と言うか人さらい)のため村にやってきたときそれを逃れるべく子供達は皆屋根の上に昇ってじっと息を潜めているのですが、 そのまま夜のシーンを迎え、みんなで夜空に浮かぶ星を数えているというシーンが特に印象に残っています。 もうちょっと整理できたら感想を書くかもしれませんが・・・。「白バラの祈り」のほうは第2次世界大戦中のドイツで実際に反戦活動を 行ったゾフィー・ショルを主人公とした映画ですが、どうしたらあの状況下であそこまで強くいられるのかと考えさせられました。始めの 辺りでは色々と嘘も言ってはぐらかしたりしつつ、兄の自白を知ってからは取調官に逆にナチスの犯罪について問いただしたり真っ向から 自分の信念に従った発言を繰り返したりする彼女の姿を映画で見て帰宅してから暫くして、なんとなく「裁かるるジャンヌ」のジャンヌ・ ダルクを思い出しました。自分が生き残りたいという思いと信念や良心に従って生きようと言うところが似ているかなと。ゾフィーは取り調べ の始めのころはうまくはぐらかすような発言を繰り返し釈放寸前までこぎ着けますし、ジャンヌは一度文書に署名しています。でもその後 ゾフィーは己の良心に従いナチスの犯罪を問いただすようなことを繰り返し、ジャンヌも神学者達を相手に一歩も引かず己の信仰心に従って 証言を続けています。

1月20日
今日は非常に寒い一日でした。明日雪だな、きっと・・・
今日の教育テレビ「世界美術館紀行」でアテネ国立考古学博物館が取り上げられました。展示されている物だけで15,000点ってすごいですね。 正面を向き左足を前に出すアルカイックスマイルの青年像と、レスリングに興じる若者、体育場の片隅(犬と猫をけしかけて遊んでいる)を 彫った土台からスタートし、マラトンの青年像(プラクシテレスかその弟子の作品)が紹介されました。これはブロンズ像ですが目には白い 石をはめ込んでいるんですね。そう言えば目はそう言う感じだったな。そして前140年頃に作られた馬に乗る少年のブロンズ像はやはり迫力が ありますね。これが作られた頃にはもうマケドニアはなかったりするのですが。

こういった展示品を紹介した後、しばしギリシアの歴史の話。ローマやオスマンによる支配の話ですが、そのころの美術品や遺跡の様子も取 り上げられていました。番組では絵で紹介されていたのですが神殿を改造したモスクはとてもシュールでした。また、エルギンマーブルの話 ももちろんでてくるだろうと思っていましたが、やはり出てきましたね。あれは果たして帰ってくるんでしょうか?ギリシアでは独立後にギ リシア美術流出を防ぐために博物館をつくったそうで(それも独立してすぐだとか)、各地から美術品が集められていますが、19世紀だと何 と言ってもシュリーマンによるミケーネ遺跡発掘による遺物がすごいんじゃないかと。アガメムノンのマスクもでてきましたが、さすがにシ ュリーマンによりひげがつけられたという疑惑についてはスルーされていました。また、シュリーマンについても少年時代から夢見ていたと いう感じで紹介していました。この辺の所はそのままでいいのかな。

後半ではミケーネ遺跡も紹介され、獅子の門や城壁が移っていましたが、すごい山城ですね。アクロポリスもそうですが、昔のギリシアでは ああいう場所に城塞や神殿を造っていたので、今の人間が見に行くときは非常に苦労させられます。とくにアクロポリスなんか雨の日には 絶対行きたくないですね。たぶん足を滑らせて真っ逆さま・・・・。番組ではシュリーマンによる発掘話のあと、発掘された遺物の紹介にな りました。武器が結構出てきたようですが、確かに自分が昔見に行ったときもミケーネ文明の所には沢山長い青銅製の剣が置いてありました。 現在もミケーネの出土品は博物館の目玉となっているんですね(まあ派手ですから)。サントリーニ島のアクロティリ遺跡から出土した遺物 (ボクシングをする若者)も紹介されていましたが、そういえばサントリーニ島も行ったなあ。

紀元前460年頃のゼウス像は海の底から発見されたものですが、まさか網を挙げたらこんな物がでてくるとは思わなかったでしょう。発見者の 息子さんが出てきて引き上げるときの苦労話をしていましたが、漁師達はブロンズ像を売ろうとしたけれど法律で禁止されていたため没収さ れてしまったとか。そういえば、このゼウス像のシーンで流れるBGMは映画「アレキサンダー」のサントラをつかっていましたが、たぶん映画の オープニングの曲だったと思います(映画自体はさんざん酷評されていますが、結構あの映画のサントラはテレビ番組のBGMに使われている ようです)。

1月19日
阪神淡路大震災から11年後の日に欠陥マンション問題に関わった人の非常に不愉快な証人喚問を見てから、なんか嫌な気分が つづいています。彼は自分が売ったマンションに是非住んでほしいものです。

今年のはじめに、今年は頑張って洋書を色々読もうと思ったものの新年が始まってからあまり読む時間がとれていません。 かけ声倒れに終わるのは嫌だなあとおもいつつ、現実は厳しい・・・。とりあえずアレクサンドロス関係2冊、ビール本など を片づけたいけどいつになることか。

1月14日
本日、相撲を見に行ってきました。テレビで見ることはあっても生で見たことは今まで無かったため、幕下の取り組みから結び の一番まで非常に面白く見ることができました。幕下から幕内まで見ていると、当たったときの音や動き、息づかいが全く違う と言うことに驚かされました。また、横綱の朝青龍については一挙手一投足が画になりますね。マスメディアを通じてみる彼は 単なるヒールキャラみたいですが、実際に国技館で見た彼は正直なところ他の力士とは格が違うとしか言い様がありません。 単に勝つだけではなく、魅せるということでも他の力士を圧倒している感じがしますね。

1月13日
年末年始に色々とお金を使いすぎたため映画館に行って映画を見る余裕が無いことと、映画を見に行く時間がとれないこと、 コンディション的に映画を見ていられる状態でないことから、映画館に行って映画を見ていません。特にお金の問題が大きい ですね。「ホテル・ルワンダ」「プライドと偏見」など興味深い作品や昨年末に上映開始された「ある子供」なども見たいと ころですが当分我慢せざるを得ないようです。

その代わりというわけではありませんが、今まで飼っておいて読んでいなかった本を今になってまとめて読んでいるのですが、 読み直してみると面白かったり、今までどうも読む機会がなかった物に触れてみて非常に面白く感じたりする事が多いです。 とりあえず、色々と読めるときに読んでおこうかと。

1月12日
明らかに太った模様・・・。ビールの飲み過ぎもあるし、結構脂っこい物を食べていたような気もするし、太るだろうなとは思って いたけれど、ちょっと服のことを考えるとまずいよな。肉うどんの大盛りなんか食べるんじゃなかったと軽く後悔しています。

とりあえず少しずつでも節制してみます。節約にもなるし。しかし今週末はいろいろあるから、節制するとしたらたぶん週明け 辺りからになりそうです。

最近、仕事の合間を縫って(というか仕事をさぼってといったほうがいいか)読書にいそしんでいます。映画を見に行くお金はちょっと ないもので、そうなると本でも読もうかと言う気になってきます。飯嶋和一の小説はいいですよ。

1月9日
連休は寝正月の延長のような感じになっています。あとは積ん読状態の本を読んだりしながら、仕事の準備をそろそろ始めよう とおもいつつ全く手をつけていないので、それはかなりまずいのですが。ま、ぼちぼちやります。

1月8日
久しぶりに飲んで帰ってきたため8日は家でぼーっとしていました。仕事の準備もせずにと言うのはかなりまずいのですが・・・。 例によって例の如く、ビール4種類ほどを飲んで来ましたが、そろそろ財布の中身と健康のことを考えたら本気で節制しないと まずいよなと思いつつ飲んでいます。とりあえず今週末を過ぎたら1月中は禁酒しようかと(週末はたぶん飲むことになると 思われますので)。

1月5日
衛星放送のニュース番組の特集コーナーで、映画で見る世界の紛争という特集がやっており、そこで早速「イノセント・ボイス」が 取り上げられていました。エルサルバドル内戦時の少年兵徴兵の話ですが、これは重い話ですね・・・・。12歳で徴兵する事に関して は、大量に武器が供給される中で兵士がかえって足りなくなり、それで少年兵を使うようになったのではないかと言うこと、また少年兵 は一種の人質のような役割を果たしたのではないかと言うことが現地に何度も行っているカメラマンの口から述べられていました。

1月3日
新年最初の映画館での映画鑑賞は「ファイナル・カット」という映画でした。前半をほとんど覚えていないのですが、人間が人為的に 記憶をいじるという設定は特に目あたらしさは感じられず。そもそもチップの存在意義自体がよく分からない・・・。実は裏で 国家が絡んでいて反体制派弾圧とかやるために利用してるという話ではなさそうですし。チップを埋め込むのは金持ちに人気みたい ですが、まあお金持ちの考える事なんて一般人には分かりませんから。

映画の内容にあまり入れなかったのですが、映画以上にびっくりしたのがパンフレットの薄さ・・・・。というかこれはパンフじゃない だろう。フライヤーの延長みたいなやつが500円ってどういうことでしょう。今までパンフレット関係でびっくりしたのは昨年の「Uボート・ 最期の決断」の激安300円パンフが一番でしたが、これはそれを上回る衝撃を与えてくれました。どれくらい衝撃を受けたかというと映画の 内容を忘れるくらいです。

1月1日
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年は多くの方においでいただき、管理人としてとても嬉しく思っています。色々なところからこのサイトに来てくださっている ようで、以前と比べると来る人の数も増えたような気がします。昨年の新春第2弾ロードーショウの時期には「アレキサンダー」が 公開されて多くの方がこちらに来てくださったり、秋に岩明均「ヒストリエ」第3巻が発売されたときには通常の3倍の方が来てく ださったこともありました。マケドニア史や「ヒストリエ」コーナーの更新が少々停滞していますが、少しずつであっても更新したり 過去に掲載した記事を改訂するなどの作業は続けていきたいと思っています。一方で新しいコーナーを作ってみましたが、人名を見て いると、ある特定の音で終わる人がやたらと沢山いる時代や地域があり、結構題材集めには苦労しています。しかし意外な発見もある のでこれも当分続けていこうかと思っています。仕事しながらサイトの維持管理をしているため、更新ペースが遅くなることもあると おもいますが、これからもよろしくおねがいします。また、何かありましたら掲示板への書き込みやメール等で伝えてくださると幸いです。

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