日々の雑感(2005年10月〜12月)

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12月31日
今年も残すところ後僅か、思い返せば今年も特に変化もなく終わってしまったような気がします。
ま、それもいいかな。

では、良いお年を。

12月28日
そろそろ今年見た映画の中で良かったもの、悪かったもの、印象に残ったものなどを挙げてみようかと思います。ランク付けが苦手 なもので順位はつけませんが今年映画館で見たものからいくつか挙げてみます。なお、ここに入っていないものも何本かありますが、 まあそれなりによかったです。ただし一寸うつらうつらしていたりするのでさすがにそれを載せてはまずいかと。

(良かったもの)

「ライフ・イズ・ミラクル」
クストリッツァの久しぶりの新作。悲惨なものを悲惨に描くのはバカでもできますが悲劇と喜劇がうまく混ざった傑作。「アンダー グラウンド」ほどではないけれどいいですよ、これ。
「理想の女(ひと)」
オスカー・ワイルド原作の劇の設定を少し変えた(大恐慌の頃のバカンス地にうつしています)、今風に言えばセレブな世界を 舞台にした映画。なかなか印象的な台詞多し(でもなかなか覚えられないんだけど)。
「エレニの旅」
アンゲロプロスの久しぶりの大作。現代史を舞台にした三部作の一作目とのことで、益々悲惨な方へと流れていくエレニのこれから が何となく心配になってきます。知識人視点で取られるよりもこういう方がいいなあ。
「モーターサイクルダイアリーズ」
若き日のチェ・ゲバラを主人公にしたロードムービー。南から北へと進む過程で社会の矛盾に気づき、自分が進むべき道を見いだしていく ようすを描いた快作。ゲバラと一緒に旅する友人がいい味を出してます。
「父と暮らせば」
元は舞台で、実質2人の登場人物で描かれていきます。戦争について考えさせる映画は別に戦闘シーンなど無くても十分とれるという ことがよくわかりました。

(ずしっとのこるもの)

「ミリオンダラー・ベイビー」
先に原作を読んでいたので結末は分かっていたものの、それでもこの映画は重いです。後半の展開に関しては原作よりも映画の方が 深いような気がします。
「アレキサンダー
世間じゃさんざん酷評されておりますが、個人的には一本の映画としての出来ではどうかと思うところもありますが、色々な意味で 考えさせられた映画ですので、それなりの評価はするべきかと思い、ここに入れています。もっと長い感想は別にあります。
「金色の雲は宿った」
チェチェン紛争のことについて色々と考えさせられる一本。
「コーチ・カーター」
良くあるスポーツものかと思いきや、実はアメリカ社会の抱える問題の一端が非常によく分かるという一本。アメリカもかなりの学歴 社会なんですね。あ、あと、日本で学校スポーツに関わっている人は絶対に見ろ。
「亀も空を飛ぶ」
この映画も重いけれど、現実はもっとヘビーな状況のようです。これも必見でしょう。
「ヒトラー最後の十二日」
ドイツでこういう映画が作れるとは時代も変わったのかなと。普通の人であることがかえって怖さを感じさせます。ゲッベルス夫妻 はちょっとこわいなあ。彼らは狂信者ですね(周りの他の人たちと全然違うし)。

(気軽に楽しめたもの)

「チャーリーとチョコレート工場」
ウンバ・ルンバがもう怪しすぎ、面白すぎです。
「魁!クロマティ高校」
よく漫画の映画化というと原作との違いが問題になりますが、これに関しては心配いりません。正直なところ原作そのまんまなノリです。
「ドッジボール
これもほんと、バカ丸出しな映画です。肝心のドッジボールの試合はちょいと微妙ですが、バカ映画として気楽に楽しみましょう。
「アイランド」
テーマ的には重いと思うんだけど、全くそんなことを考えさせないと言う点である意味すごい。まさに夏休み中に気楽に見るための映画。
「フォービデンゾーン」
夜中にレイトショーでひっそり楽しむ一品。これもやはりバカ映画の一本でしょう。
「マサイ」
本物のマサイ族を使ってアフリカで撮影された映画。映画としてはとても単純ですし、作りの点で時々??な所もありますが一度こういう のも見てみると良いのではないかと。

(意外な掘り出し物)

「Uボート・最後の決断」
たまたま見かけて見に行ったのですが、これが意外と面白かったですね。潜水艦映画にはずれは少ないと言いますが。
「ロード・オブ・ウォー」
始めはあまり期待していなかったけれど、なかなか面白かったです。テーマは武器商人の世界で重いし、後味はあまり良くないけど。
「ハックル」
ハンガリー発の不思議映画。これは一度は体験するべきかと。
「心地よい部屋」
チェコ映画祭で見た一本。普通の青春もの・家族ものかと思いきや最後の最後にとんでもない事態が発生するってのは反則だろう。
「ベルンの奇蹟」
来年はドイツワールドカップだからと言うわけではないけど見てみた一本。特にすごいというわけではないけれど良く纏まっていて 飽きずに見られる一本。
「ロング・エンゲージメント」
「アメリ」の監督・主演コンビによる一応ミステリー映画らしい。塹壕シーンはじめ、映像的にはなかなか凝っていてよろしいですね。

(微妙)

「ライフ・アクアティック」
なんかおしゃれな川口探検隊のような映画でした。インチキ臭さ満点だけど妙なゆるさも。
「銀河ヒッチハイクガイド」
モンティパイソンとかレッドドワーフ号とかは好きだけど、これは何だか中途半端な感じが・・・。もっと毒々しい方が面白いんじゃない?
「ナショナルトレジャー」
社会科見学アクション映画とでもいえばいいのでしょうか。
「キングダム・オブ・ヘブン」
劇場公開版は正直なところ話は全然ダメでしょう(あまりにもご都合主義的)。ただ、リドリースコットなのでいつかきっと完全版が 出るであろう事を期待しています。そっちをみてからですね。ぁ、映像はいいですよ。
「SAYURI」
まあ、「ラストサムライ」同様ファンタジーとして楽しめればいいのですが、ミシェル・ヨーと桃井かおりがいい感じだったことぐらいしか。 「日本が嫉妬するJapan」ってどこにあるのでしょう。

(ダメ)

「オペラ座の怪人」
世間的には評価が高いですがそこまで絶賛される理由がよく分からない一本(飽きてきて寝た映画って他にあったかなあ・・?)。 まあ舞台版の忠実な再現なんでしょ、これって。まあそういうところに制作者の底意地の悪さを感じるんですがね。
一言、「庶民をなめるな!!」
「宇宙戦争」
ただのパニック映画に宇宙人引っ張り出さなくてもいいじゃない。あとダコタ・ファニングはちょいとうるさすぎ。それにしても台風と言い 宇宙人と言い被害を受けるのは下層民で中流から上はノーダメージなんですね。
これがUSJのアトラクションなら喜んで参加します。
「皇帝ペンギン」
あんなふうに擬人化する必要なし。ついでに言うと妙に甘ったるい。皆さん、「ディープブルー」を見ましょう。
「アビエイター」
単なる懐古趣味な映画でアカデミー作品賞を取るのは無理でしょう。「ミリオンダラーベイビー」と比べてはいけません。
「ランド・オブ・プレンティ」
ガツンと来るものは無く、アメリカ人に見せてこれで通じるのか心配。また、何となく今これを上映するのは時機を逸しているような。 ほかのダメ作品とちがってとても良い映画だとおもうけれどあえてここに。

12月26日
昨日、今日と映画をまとめて3本見てきました。長文感想を書く気力がでないため短文で。

「マサイ」
ストーリーはとてもシンプル、ひねりをきかせたり凝ったりしたものはないけれど、マサイ族の人々がアフリカの大地にたつだけで 一つの画が既にできあがっているような気がします。若者たちが戦士として成長する過程をみながら勇気とは何か考えてみては。
「ニューシネマパラダイス」
劇場公開時のヴァージョンなので完全版より短いですが、こちらのほうが一本の映画としてはまとまりが良いように思いました。 エレナとの悲恋はあれで終わりにしてくれて丁度良かったと思います。完全版だと後日談のような物が延々と描かれていますが あれは正直余計だと思っていたので。
「さゆり」
何となく微妙。シンデレラっぽいか?ミシェル・ヨーと桃井かおりがよかったですね。

12月24日
世間ではクリスマスイブと称して浮かれ騒いでいるようですが、とりあえずほしかった本をまとめ買い。これで冬のボーナスがほとんど なくなりつつあります。古代ローマ軍に関するかなり詳しい概説書と古代の色々な物についての事典っぽい本、あとは地球儀に関する本 の計3冊、今週の本代だけで3万円も使えばボーナスもなくなるよな。その他に京都日帰りとかスーツ買ったりしてるからあっという間に ボーナスが消えてしまいそう。あればあるだけ使うという悪癖を何とかしないと行けないと思いつつ、来週はちょっくら飲みに行く予定が あったりしますし、困ったものです。

本を買った後久しぶりに映画を見てきました。見たのは「ロード・オブ・ウォー」、ニコラス・ケイジ主演の武器商人を題材にした映画 です。主人公ユーリ・オルロフは家族で故郷のウクライナからアメリカへ移住し(ユダヤ人と嘘をついて移住)、そこで料理屋を開きます。 ユーリは家業にあまり興味はなかった者のそれを継ぐと思っていたようですが、ロシア人マフィアの抗争を見て突然武器商人になることを 思いつき、弟ヴィタリーも巻き込んで武器商売ビジネスの世界に身を投じます(弟の方は結局それに付いていけなくなってヤク中になって しまいます)。始めは武器商売でも苦労しており、わざとうまくいっているように見せかけるべく無理をしていましたが(それで奥さんを ゲットしてるのでまあうまくいったんでしょう)、ソ連邦崩壊によりやってきたビッグチャンスをつかんで大成功を納めます。その後も 色々なところに思想信条に関わりなく武器を売りまくって莫大な富を手にしますが、やがてインターポールに目をつけられたり、仕事の 事を一切家庭に持ち込まず、甘い言葉をささやき唯一の女であるかのように愛してきた(実際はいろんな所であれこれやっております) 奥さんも彼のことを疑い始めることになります。そしてユーリは逮捕されるのですが裏からの圧力であっさり釈放され、再び武器商売の世界 に身を投じていくのです(最後のあれはスーダンかな?)。

主人公のユーリは武器商売を自分の天職と考え、武器を独裁者やテロリストなど危ない集団にも大量に売りさばき、彼の売った武器に よって内戦が長引き虐殺が引き起こされても一切そのことでビジネスを辞めようとしません。それによって弟を失い両親から勘当され、 妻と子に去られても武器商売ビジネスの世界から足を洗おうとはしません。というよりもはや彼個人の一存でどうなるというレベルでは 無くなってしまっているかのようです。彼のような武器商人の存在は彼自身の言葉を借りれば「必要悪」であり、国家と武器商人がもちつ もたれつという関係にあることから、自分がこの世に存在し続けるには武器商人を続けるしかなかったのでしょう。武器商売が天職だと ユーリは言っていましたが、「天職だ」という言葉には自分でコントロールできるという思いがあったのではないかと思われます。自分で この仕事を選び(武器商人になる辺りの動機が一寸弱いような気もしましたが)自分でチャンスを見つけてつかみ取り今の地位にのし上 がったようにみえますが、親兄弟や家族を失なったとき、心情的には内戦や虐殺に武器を売ることで加担していることに対して嫌な 思いを抱き辞めたいと思ってみても、自分という存在が国家や諜報機関など様々な勢力により絡め取られており武器商売を辞められない 状態にあることがわかっておりひたすら武器商売の道を進み続けるしかなかったのでしょう。自分でコントロールしていると思っていた けれど実はそれによって自分がコントロールされる存在になってしまっていたユーリの存在を見ると、これは武器商売の世界の話だけで すまされるものではないのではないかと思わされます。インターポールの捜査官とユーリの弟の存在は何となく「一応良心的な人も出して 見ました」という感じで一寸軽いような気もしますが、武器商人ユーリの活躍するお話としてみるとなかなか面白いと思います。扱って いるテーマの重さ(それは最後のメッセージ(常任理事国5ヶ国が実は最大の武器輸出国家である)を見るとさらに増してきます)の 割に面白く見られるのではないでしょうか。ま、毒にも薬にもならないと言えばそうもいえますが・・・。

12月18日
最近サイトへのリンクを増やそうかと思っています。歴史に限らず本・映画等々で面白そうな所にリンクを張ってみようかとも思い ますが、どこにリンクをはろうか思案中です。とりあえず年末年始にちょこちょことリンクを増やしていくつもりなので、たまには リンク頁の方も見てみてください>皆様。

12月17日
本日、京都へ日帰りで行ってきました。京都で行われている講演会(西アジアにおけるアレクサンドロスの受容について)を聞きに いくためです。講演の内容に関することは、実はズルカルナインや中世のアレクサンドロス物語についてちょこっと調べて記事にしよう と思っていたため、歴史の記事で色々と書く予定になっています。だからここでで長々と描くつもりはありませんが、やはり予習をして いったことは正解だったなと(というより、2年前の論文の内容とそれほど内容は違いがないように思いました)。

帰りはついつい肉厚と言う言葉につられて鯖寿司(特上)何ぞを買って食べてしまいました。2000円という値段設定は伊達じゃない なと。事実、肉厚で美味しかったです。その他駅の売店で京都の地ビールを発見して購入。さすがに全種類制覇は無理なので一本だけ かって帰りの新幹線の中で鯖寿司を食べながら飲んでみました。結論としては、うん、これは地ビールの味だなと言うことで。よく うられている某社のスーパード*イとは全然違う飲み物ですね。どちらが美味しいかと言われたら当然地ビールと答えます。

12月13日
最近買ってきたDVDを鑑賞。ブルガリア映画「略奪の大地」です。

オスマン帝国というと、宗教的には寛容な国家であったと世界史の本やオスマン帝国の概説書には書かれています。 かつてはミレット制 という仕組みが存在し、異教徒は宗教共同体(ミレット)に組織されて貢納の義務と引き替えに 自治的生活を許したと言われてきました。 ミレット制の存在が疑われるようになった近年のオスマン帝国史研究でも、 オスマン帝国ではムスリム以外の異教徒(キリスト教徒、ユ ダヤ教徒)は様々な制約がつけられた不平等の元での共 存とはいえ(ムスリムへの布教は禁止され、教会の新築や鐘を鳴らすことが禁止 されていた)、他の宗教に対し寛容 であったことが確認されています。

しかしそのような一般的なオスマン帝国の宗教に対する関わり方と真っ向から対立する内容を扱っているのが本作 「略奪の大地」です。 時代は1668年、クレタ島でオスマン帝国とヴェネツィアが戦っている頃のブルガリアで起きた 事件を題材にしたこの映画であつかわれて いるのはブルガリアのロドピの一村落を強制的にイスラムに改宗しようと したときに起きた惨劇です。オスマン帝国軍の騎兵隊隊長カラ イブラヒムは自分の生まれ故郷である村落をイスラム に改宗しようとしてやって来ます。彼自身はデウシルメ制により少年時代にオスマン 帝国に連れて行かれてムスリム になり、軍人として仕えるようになった人物ですが、彼は自分の率いる騎兵隊とともに村へとやって来て、 村人に対 して10日間の猶予をあたえて改宗を迫ります。しかし村のある地域一帯の領主であるスレイマンはあまりカライブラ ヒムのやっ ていることに協力的とはいえず、村人はマノールという羊飼いを筆頭に改宗を拒否したあげく、10日間の 猶予期間中にマノールを中心に 団結し、そして悲劇が起こることになると言うのが大まかなあらすじです。

始めの頃はカライブラヒムもかなり対応は緩かったものの(そうはいってもいきなり屋根の上で作業している諸君を ピストルで撃ち殺し たりしていますが・・・)、マノールとエリツァの結婚式に乱入して婚礼の場を阿鼻叫喚の地獄 絵図に一変させたあたりからかなり厳し くなり、さらに援軍としてイェニチェリが送られてくると自分では不十分と 思われているのではないかと考え残虐行為がエスカレートし ていきます。改宗を拒否する村人に対しては生きたまま 杭に突き刺したり大きな針に突き刺すなどの残虐行為が繰り返されます。カライ ブラヒムは自分を暗殺しに来た弟を 殺し、さらに自分の父親まで殺してしまいます。そしてマノールら連行されていた村の男たちもマノ ールの子ミルチョ の命と引き替えに脅した挙げ句虐殺することになります。さらに洞窟に火を放って村人を屈服させ、抵抗を続けるマノ ールの息子モムチルも命を絶ちます。こうして反抗する村人を屈服させたカライブラヒムですが、彼もまたマノー ルの子ミルチョのナイ フにより命を落とすことになるのです。

羊飼いのマノールとカライブラヒムは幼なじみですが、ムスリムに改宗し軍人として出世したカライブラヒムとロドピ の谷で羊飼いをし ているマノールの運命はもしかしたら逆になっていた可能性もあるわけで、もしそうだとするとカラ イブラヒムのほうはどうなるか分か りませんが(改宗を迫る過程を見ても信仰心からというより自分の体面や威信から やっているような感じがします)、マノールのほうは 今回のカライブラヒムと同じようなことをするのではないかとい う気がします。息子の命を引き替えに改宗を迫られても結局改宗せず命 を落とすことになるくらいですから、信仰にか ける思いという物は生半可な物ではなさそうで、そのへんは神父よりよほど強固なのでは ないかと思われます。ただし、 個人的には暴力的な手法で改宗を迫るカライブラヒムや死人が出てもかたくななまでに改宗を拒みつづけ るマノールら の信仰に対する態度にはついて行けない物を感じますし、あまり彼らに対して共感するところはありませんでした。一方で この映画の登場人物の中では領主のスレイマンとその奥さん、スレイマンに仕えるイタリア人の改宗者、神父など の行動や言動には異な る宗教を信仰する人々がともに暮らす知恵のような物が感じられ、結構共感するところがありま した。見てきて気になった事として、映 画の中でスレイマンとマノールの間にもなにやら浅からぬ因縁があるようです。 この辺りのことをもう少しどこかで語ってくれた方が良 かったのではないかとも思いますが、それはほとんど語られません。

イスラム教徒を獣扱いしている所などは問題があると思いますし、全体としてかなり残虐な描写が多かったりするため にとっつきにくい ぶぶんもありますし、女性の描き方があまりうまくないと言いますか、どうもぱっとみてどの人なの か瞬時には分かりかねる描かれ方で あることもどうかとおもいます。しかし、この映画で描かれている異なる民族・宗 教の間での壮絶な争いというものはバルカン半島の歴 史を理解するうえで知っておかねばならないことであると思われ ます。20世紀最後の10年間、バルカン半島ではボスニア紛争で異なる宗 教を信仰する人々が対立し、血で血を洗う内戦 が繰り広げられましたがこの映画で描かれている世界はそのような問題のルーツと言って も良い(但しブルガリアの事 例ですが)ものでしょう。民族・信仰とは何なのか、考えてみたい人は見てみると良いのではないかと思わ れます。

12月10日
本日は忘年会のあと行きつけのバーに行ってきました。イギリスのエール2種類を飲んできましたが、最近自分の好みはどちらかと いうと香りの結構強いタイプのビールが好きだと言うことに気がついてきました。この日飲んだニューカッスルとストロング・サフォーク はいいですね。昔飲んだホブゴブリンは一寸甘すぎたけれどそこまで甘すぎないし。テトレーズは飲みやすいんだけれどあまり味や香りが 感じられず(まあ窒素ガスのおかげで泡はクリーミーですが)、アボットエールやスピットファイアも確かにいいけれどもうちょっとかなと。 まだまだ飲んでいないイギリスのエールもあるので、色々足を伸ばして飲んでみようかと思っています(都内には他にもイギリスのエールを 出しているお店はあるでしょうし)。同じビールでも、最近は一般的にビールとしてイメージされるラガーよりも、エールの方がいいなと思う ようになってきました。ビールの何を評価するかと言う点で、最近はのどごしよりもじっくり味わえる味と香りのほうが重要な要素になり つつあります。東京都内にはベルギービールやイギリスのエールが飲める店は何軒もありますが、そう言うところに行って腰を落ち着けて じっくりビールを味わうのもよいものですね。香りが良いという点ではアメリカの地ビールにもそういうものが有り、それも気に入って飲 んでいます。昔はアメリカのビールというと某社のビールのせいでかなり悪いイメージを持っていましたがアメリカの地ビールを飲んでか らイメージはかなり変わりました。やはり色々なビールを飲んで味わうことが必要なのだと分かるようになりましたが、あまり飲み過ぎる と痛風になってしまいそうなので気をつけなくては。

12月9日
DVDで「トロイ・ザ・ウォーズ」を鑑賞。原題は「Helen of Troy」なのですが、過去の作品でトロイのヘレンという映画がある ので別になったのではないかと思われます。戦闘シーンの迫力などは映画「トロイ」のほうがあるとは思いますが、物語自体は こちらのほうが面白いと思います。こちらの作品ももとのトロイア戦争にまつわる物語を完全に再現しているわけではなくて、 アキレウスにまつわる話がごっそりカットされていたり(アガメムノンとの対立もないしパトロクロスも出てきません。ヘクトル を殺すところは出てきますが、ヘクトルの方に戦うつもりは無いのに槍を投げつけて殺してしまうという描き方になっています)、 クリュタイムネストラがトロイにやってきてそこでアガメムノンを殺したり、かなりすごい話の展開になっている部分もあります が、映画「トロイ」がアキレウスとヘクトルをかっこよく見せることに焦点を絞っている(そして他の所は適当な)作品なのに 対し、こちらはメネラオスとアガメムノンの兄弟、パリス、ヘレネといった人々の人間関係がけっこうまともに描かれているように おもいます。一方でヘクトルとアキレウスについてはなんとなく扱いが良くないです。パリスについては「トロイ」のようなヘタレ ではなく、それなりにしっかりした人物として書かれるとともに、苦悩するメネラオス、強欲で執念深いアガメムノン(ただし単なる 強欲じじいではなく、娘を生け贄に捧げてまで始めた戦争ゆえに簡単には辞められないと言った感じでしたが)といった具合で、 これらの人々によるドラマとしてみる分には楽しめると思います。前半、ヘレネが傾国の美女となる過程やパリスとの出会いなどを 描くのにかなり割いており、その部分が冗長に感じるところもありますが、話の中心はパリスやヘレネなのでそれでもよいのだと思い ます。同じ題材でもどの視点から書くのかで全く違うものになるということは「トロイ」と見比べるとよく分かるでしょう。

12月8日
行きつけのバーで飲んで帰宅。別にマンチェスター・ユナイテッドがUEFAチャンピオンズリーグで敗退したからやけ酒を飲んで きたというわけではなく、久しぶりにビールが飲みたくなって行ってきただけです。

最近、中世およびルネサンス期のビールに関する本を買ってきて読み始めています。ビールの歴史も知っておく必要があるかなと 思っていたところたまたま研究書を発見し、それを読んでみようと思って読んでいます。しかしまだまだ中世の話に入れない状態 です(イントロでとまっているため)。

12月6日
最近、読書コーナーとトップに重大な間違いがあることが発覚、急遽修正しました。赤松明彦先生のお名前を間違えていました。 読書コーナーの著者名を間違えるとは思ってもいませんでしたがまさかそんなことをしていたとは。

最近、このような団体を見つけたので入ってみることにしました。
Good Beer Club

なかなか面白そうな団体ですし、美味しいビールが飲めそうな感じなので、これは入って損はないだろうと思い、早速入会してみました。 はてさてどうなることか。

12月4日
昨日かってきたもう一本のDVD「アラン・ドロンのゾロ」を鑑賞。かなり前にテレビで見た活劇映画で、面白いのはわかっていました が、それでもついついかってしまったのはテレビ放映時の吹き替えがついていたためでして。アラン・ドロンの吹き替えというと主に 野沢那智氏ですが、今回のゾロもそうでした。これがなよなよとした総督ミゲル(本当はディエゴだけど)のときとゾロの時で見事に 演じ分けていて面白いですよ。昔は吹き替え物というと、イーストウッドが故山田康夫(ルパン3世)とかチャールトン・ヘストンは 納谷悟郎(銭形警部)といった具合に、この人の場合はこの声優さんが吹き替えるというようにほぼ固定化されているような感じだった ような気がしますが、最近はその辺は少し変わってきたようです。ただ、時々テレビの洋画吹き替えで話題作りとしてそのとき人気の ある人に吹き替えをさせることがありますが、あれは一寸辞めた方がよいのではないかと思います。昔「タイタニック」を見たときは そりゃもうひどかったです。ちなみに映画については別に字幕でも吹き替えでも特にこだわりはなく見ています。字幕の映画を見るとき に、勉強のためと思って見るのが余り好きではなく、できれば映画を見ることに専念したいと思うときは吹き替えで見たりしています。 ただ、吹き替えが作られるほどメジャーな映画を最近余り見た覚えはなく(単館系で吹き替えって見たことがない)、結局映画鑑賞は 字幕鑑賞がほとんどという結果になるのですが。

12月3日
本日、DVDを2本購入してきました。新作映画を見に行く気になれず(何故か知らないけれどものすごい眠気に襲われるもので)、 映画館で映画を見たのは「ランド・オブ・プレンティ」が最後という状態ですが、一応DVDで古い作品を見たりしてはいます。

本日見た作品は「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフことイアン・マッケラン主演・脚本の「リチャード3世」(1995年)です。 シェイクスピアの「リチャード3世」を本来の舞台である中世ではなく1930年代のイギリスを舞台として描き出した作品です。冒頭から 戦車が壁に突っ込み、防毒マスクをかぶった兵士たちが登場するという始まり方で、その後も軽快な音楽が流れる中でグロスター公 リチャードのやりたい放題国盗り物語と言った感じの前半と権力の座に着いてから不安にさいなまれる中(寝ていてうなされているし) 没落していく様子が描かれているように思えました。リチャードは一応悪人(やっていることはえげつないです)なのですが、何か やらかすときに画面の方を向いてちょこちょこっと何かを語ってみたり(これは彼の心の声か?)、妻になるアンを地下の死体置き場 で口説いてうまくいった後に階段を軽やかに上がっていったりする所があるなど、所々コミカルな場面もありました。

12月2日
Firefox1.5をダウンロードしてみました。結構使い勝手はよいかも。

最近、ベルギービールやイギリスのエール、アメリカの地ビール等々、普通飲んでいるビールとはかなり異なるビールに少し凝って います。もちろん、普通のビールと余り変わりがない物もありますが、なかには全く異なる味わいのビールもあります。ものすごい 酸っぱいビールもあれば、ワインのような色と香りのビールもあります。いまのところ飲んだものは香りが果物のようなものが多く、 味わいも甘みや苦みがほどよい物が多いのですが、のどごしすっきりというのがビールだと思っているとびっくりするような味と香り がするビールがでてきます。これらのビールをちびちびと時間をかけて味わいながら飲むというのが個人的にはあっています。問題は、 ビールを飲み過ぎると尿酸値があがってしまうのですが・・・(今のところは何ともなくとも後でどうなるか)。

11月29日
本日、アテネフランセ文化センターにて「裁かるるジャンヌ」を見てきました。生のピアノ伴奏つきと言うことでこれは滅多にみられない 貴重な作品だと思い、仕事の帰りに行ってきましたが、ものすごい混雑でした。まさかあんなに混んでいるとは・・・。

話はジャンヌ・ダルク処刑裁判を史料をもとに構築されていますが、あえて処刑裁判を1日ですべてが起こったようにまとめてあります。 実際の処刑裁判はかなり長期間にわたったのですが、それをあえて期間を縮めることで神学の専門家であるジャンヌを裁く側の人々に ジャンヌが自分の信じるところに従って誠実に応対している様子がよりはっきりしているような気がします。クローズアップ多用、 仰角のアングルの多用によりジャンヌなど登場人物の眼や表情などから色々と読み取っていくことになりますが、ジャンヌのまなざしや 表情は見終わった後も印象に残ります(それくらいインパクトはあります)。これはどっかで必ず1度は見ておくべきなのではないかと。

11月26日
前々から気になっていることではあるのですが、エウメネスをスキタイという設定にした理由は何なのでしょうか。昔は単にエウメネス は騎兵部隊を率いて活動したりノラ包囲戦では包囲されている砦の中で馬を訓練していたりと馬にまつわる話が多くみられ、馬の扱い に炊けているとなるとやはり遊牧騎馬民族スキタイだろうということでエウメネスをスキタイにしたのかと思っていましたが、そんな簡単 な理由ではないのだろうと最近は思っています。それならいったい何なのかと言われるとなかなか考えが纏まらないのですが、歴史を書く 人はヘロドトスにせよトゥキュディデスにせよいわばよそ者として外から物事を見るポジションにいますが、マケドニア人ではなく通常の ギリシア人とも少しずれたところにいる、いわば文明の外にいる「高貴なる野蛮人」ということではスキタイ人がちょうどよかったからなの でしょうか。

11月24日
「ヒストリエ」発売直後と言うこともあってか、通常の3倍くらいの人が見に来ているような気がします。あそこのコーナーで早めに 更新したいところは、「エウメネスの戦い(その2)」をつくり、エウメネス対アンティゴノスの2度の会戦(パラエタケネとガビエネ) についてまとめることと、スキタイ関係で何かまとめてみたいと言うところです。前者はともかく後者は手元に余り資料がなく、どういう 方向でまとめるのかも全く考えていませんがやはり必要かと。一方でメムノンとバルシネの記事はどうしようか迷っています。メムノンに ついては別の頁でまとめてしまっている上、バルシネについてはこれもやはりデータがなさ過ぎるので、この辺で1頁まとめるのは厳しい かもしれません。一寸切り口をひねってみようかとは思いますが果てさてどうなることか。

11月22日
仕事帰りに早速「ヒストリエ」第3巻を購入。エウメネスがオルビアの商人ゼラルコスに買われていくところから、パフラゴニアの 寒村に落ち着き、そこでの日々が描かれているところまでですが、この後どのように話が動いていくのでしょう。なにやら不穏な空気 がただよっていますが、この後エウメネスはどうなるのか。年1巻ペースというのが何とも辛いところです。また1年以上待たないと 次が読めないんですよね・・・。 エウメネスに買い手がついてヒエロニュモス邸を出る時のシーンと、出航したエウメネスを見送る カロンと過去の回想シーンは何度見てもすごいなあと。前者は今までどちらかというとぐっと抑えてきた個人的な感情が急激に噴出し ていく様子が、後者は本当に言わなくてはいけなかったことを言いそびれ、ありきたりな励ましの言葉ですましてしまったことへの後 悔の念が描かれています。この2つのシーンを見ただけでも個人的には買いだったとおもいます。とりあえず、うちのサイトに来ている 人は是非買うべし(といわなくても持っている人は多そうですが)。

「ヒストリエ」の他にも色々と買い物をしてきましたが、先月の新刊を読み終えていないのにまた新書を買ってしまったのは一寸失敗 だったかもしれません。一体何時読めるのやら。

11月21日
そう言えば最近新作映画を見に行っていないような気がします。フィルメックスには全く行っていないし、その他新作映画を 見に行っているかというと映画館には全然行っていません(ランド・オブ・プレンティが最後)。アテネフランセのドイツ映画 特集も見逃すし、映画関係のほうは全く進展無しです。

22日は「ヒストリエ」発売日なので、そっちが優先されますし、映画をゆっくり見られるのは何時の事やら。

11月20日
最近一寸ビールの飲み過ぎでかなり太ったような気が・・・。これはまずい。
しかし、美味しいビールを飲める店を発見してしまい、しかも雰囲気もよいものでついつい行ってしまうんですよね。 最近よく行くお店は神田にありますが、ベルギービール等々世界のビールがそろっています。通常飲んでいるビールとは 全く味も香りも違う物が次々出てくるため、これをすべて味わうには何度通えばよいのやら。

11月18日
先日借りてきたDVDをまとめて鑑賞。一本目は「ペイ・フォワード 可能の王国」、二本目は「サイドウェイ」です。 「ペイ・フォワード」のほうは現実にはこういう事は難しいだろうなと思いつつ、こういうのもいいなと思うところも ありました。実際には人を助けたり、善意の受け渡しをするというのは難しいから多くの場合傍観者になってしまう事 も多いのですが、それをどうやって乗り越えるのか、考えないといけないのだろうと。

「サイドウェイ」のほうは、中年2人(しかもあまりさえない2人)が一方の相手が結婚する前に行ったワイナリー廻り& テイスティング&羽目はずしツアーといったところです。この2人が全く違う目的を持って旅をしているのでその間に大人 の恋愛あり、一寸したトラブル有りの珍道中になっているところもあり、と言ったことも描かれています。一方はワインオタク でワインのこととなるとめちゃくちゃ饒舌なのにその他のことはだめで小説家への夢を捨てきれずにいる学校教師マイルス、 もう一人は口八丁手八丁の女好きな一寸落ち目の俳優ジャックという組み合わせですが、個人的にマイルスに対しては共感を 覚えるところが多々ありました。自分に自信が持てないもんで、なかなか積極的になれなかったりするところは特に・・。

11月15日
ここのところ読書コーナーの更新が滞っていますが、別に本を読んでいないわけではありません。山内一豊関係の新書が 先月まとめて3冊も出たため、それをまとめて紹介するコーナーでも作ってみようかと思って読んで記事をまとめている のですが、3冊中2冊は結構おもしろく読めた物の残り1冊がちょっと面白さが感じられず困っています。他には水滸伝 を読んでいたりシュメル文明についての本を読んだりしているのですが、それについての記事もまだまだ書けていません。 早いところ書いてしまいたいのですが思うようにいかない物です。

11月14日
仕事帰りに映画を一本。ヴィム・ヴェンダースの新作「ランド・オブ・プレンティ」を見てきました。2001年9月11日の 世界貿易センタービルに飛行機が突っ込んでから後のアメリカを題材にした映画ですが、ベトナム戦争のトラウマにおびえ つづけ、自分は母国を守っているのだという意識をもちアラブ系と見れば怪しんでテロリストとして見る主人公ポールの 姿が何となくブッシュ大統領っぽく見えてしまいました(言っては何なのですが何となく似てる気が・・・・)。なんか 他にも色々と書こうと思ったのですがどうもこれくらいしか出てきません。正直なところ、何かを語れるほど強く印象づけ られたわけではなく、なるほどねえと何となく思いながら見ていた程度で、途中で眠気に襲われました(ちょっと記憶が 飛んでいる箇所もあります)。良い映画ではあると思いますが、見終わって過ずっと気になっているのですがこの作品は一体 誰に向けて物を語っているのでしょう。アメリカ以外の人に向けてであれば、そんなことはよそで見たり聞いたりしたと 思うことが多いでしょうし、アメリカ人にこれを見せてもこのくらいだと流してしまって終わってしまうのではないかと 思います。既に現実が映画を追い越してしまっているようにも思えてきます。悪い映画ではない、むしろ内容的には良い映画 だとは思いますが、なんとなく今になってこれを撮るというのはちょっと遅れているのではないかという気がします。

11月12日
東京国立博物館にいってきましたが、「北斎展」は尋常ならざる混雑のため、見るのを諦めました。その代わりに日本庭園 を見てきましたが、銀杏の実が沢山落ちており、そのにおいが少々きつかったためにこちらも早めに退散してしまいました。 そして国立博物館を出て上野公園をうろうろしてきましたが、「ガンダム展」は入り口にものすごい行列ができていました。 老若男女皆並んでガンダム展を見に行くというのもなんというかすごいものがありますね。とてもじゃないけれど行列に並 ぶ気力はなく、おとなしく帰宅しましたが、帰りに新しい自転車を買ってきたら新品なのに電気がつかないし・・・。ほんと、 今日はついていない日です。

帰宅後に「O侯爵夫人」をDVDで鑑賞。かなり前にかったエリック・ロメールのDVDボックスに入っていた作品です。身に覚え のない妊娠をした未亡人O侯爵夫人が子供の父親を捜す新聞広告を出したところから映画は始まります。フランス革命期の イタリアで身に覚えのない妊娠をしてしまったO侯爵夫人をそんなことはあり得ないと思った両親は彼女を一時は勘当同然の 扱いにしてしまいます。いっぽうそれより前に彼女は危ないところをロシア人将校に救われますが、彼が彼女に対して激しく 求婚してきています。ロシア人将校と彼女の関係はどうなのか、そして彼女のおなかの子供の父親は誰なのか・・・と言った ことが絡みながら(といっても何となく見ているとおなかの子供の父親は話の途中で既にロシア人以外無いだろうと思って しまうのですが)話は進んでいきます。最後に何かどんでん返しでもあるのかと思いましたがそう言うことありませんでした。 最後の「若いロシア人が伯爵の例にならうようになった」というところはどういうことなのかなと(伯爵のまねって、要する に悪く言えば寝込みを狙って何かやらかすんでしょうか・・)。

11月10日
本日は久しぶりに演劇鑑賞。おそらく1年ぶりくらいになるでしょうか。劇団ク・ナウカという話者と動者を分けて劇を 演ずるちょっと変わった劇団があるのですが、今回は「オセロー」を能形式で上演するという事に挑戦しています。能の 形式と言うことでシテ・ワキ・ツレといったものがでてきます(シテは後シテはデズデモーナです)。間狂言は仮面劇で 「オセロー」の概略をまとめたような内容ですが、全体としてはかなり創作が入っています。話の始まりがオスマン帝国 占領下のキュプロス島で、キュプロスを訪れた僧がヴェネツィア軍に置いて行かれた女たちに出会い、その中の一人に デズモデーナの霊が憑依して語り始めるという始まり方をするところなどもかわっています。また、今回の劇では話者と 動者を分けないで上演していましたが、能形式での上演と併せてちょっと変わったことに挑戦してみたと言うことなの かもしれません。実はク・ナウカの劇をナマで見るのは初めてで、難しくて訳が分からなくなったらどうしようかと心配 していまいたが、それほど心配する必要はありませんでした。あ、最後のデズモデーナの踊りは迫力がありました。

11月6日
Zガンダムが上映中だから載せるわけではありませんが上野の森美術館にてこんな展覧会をやっているそうです。

ガンダム展

ガンダムを現代アートで表現するとどうなるか、ということなのでしょう。戦争、進化、生命と言ったことを題材にするようですが、 はてさて。それにしても今やガンダムも現代アートの題材になる時代になったんですねえ。
月曜日もやっているという珍しい展覧会(月曜休館というのが世間の美術館や博物館のパターン)なので、見ようと思えば見られるかな。

11月5日
「灯台守の恋」を見に行ったものの前半を眠ってしまいました。話としてはアルジェリア戦争の帰還兵がブルターニュ地方の海沿い の街にやってきて灯台守になり、そこで新参者をなかなか受け入れてくれない村社会で悪戦苦闘しつつ、彼のことを何かと助けてくれる 友人の奥さんと恋仲になってしまうと言うような話だと。

サイトの記事を更新したり改訂するために本屋や図書館をうろちょろして色々見てきました。新しい記事は一本書けそうですが、記事の 改定の法はかなり大変そうな予感がします。横文字文献がほしいけれどアマゾンで品切れになっていたし。しかし、専門の方のご意見が 聞けるというのは実にありがたいことです。なかなかそう言う機会はないので、専門の方のご指摘が今回あってとても嬉しかったです。 ネットで調べるとひょっとしたらこれかなと思うことがウィキペディアにのっていますが典拠がよく分からないし、参考文献に挙げてある 2冊の本のほうにはその当たりのことが余り詳しく描いていないし・・・。

11月3日
京都日帰りツアーを敢行。京都国立博物館で「最澄と天台の秘宝」展を鑑賞し、京都文化博物館にて「偉大なるシルクロードの 遺産」展も鑑賞して帰宅しました。文化の日という事で文化的な生活を送ろうと思い、少々の無理は承知の上で行ってきましたが さすがに全部歩きで移動すると疲れますね。行き帰りの交通費とパンフレットや入場券代でかなりかかるのですこしでも節約しよ うとおもって歩きで移動してきましたが、もうちょっと楽をしても良かったかなと。国立博物館では色々な本で見たことのある仏 像や絵、書籍の実物を見ることができたり、中央アジアや西アジアの貴重な遺物を見ることができたので満足満足。ただし、休日 ということもあって非常に混雑しており、「最澄と天台の秘宝」のほうは展示物の前は人だかりができていて少々見づらい所もあ りました。そんなときに図録があると非常に役に立ちますが、今回の図録もかなり充実しています。「偉大なるシルクロードの遺 産」も図録はかなりしっかりした物になっています。「偉大なるシルクロードの遺産」展はアクセサリーや貨幣など小さい展示物 が多かったので、それをあらためて確認するには丁度良いです。「最澄」のほうは東京に来るかもしれませんが、「シルクロード」 のほうは京都が最後なのでこの機会を逃したら見られなかったところでしたし、実はこれを見に行こうと思って今回のツアーを計画 したので目的は無事に達成できました。

11月2日
本日、ようやく「亀も空を飛ぶ」を見に行ってきました。イラク北部クルディスタンを舞台にした非常に重い題材の映画です。 クルド人にたいするフセイン政権下での弾圧をしめす2人の兄妹、地雷除去という危険なことで小銭を稼ぐ子供たちについて 自衛隊を送り出しイラクに関わっている国の国民として我々は見ておかなくてはならないとおもいます。

映画はクルド難民キャンプのあるクルディスタンの村で地雷除去や衛星アンテナの売り込みなどいろいろなことに手を出し うまく世間を渡っている少年サテライトとその仲間たちの日常と、難民キャンプにやってきた兄妹、そして一人の子供をめぐる 話を時にリアルに、時に幻想的に描き出しています。

サテライト少年の無邪気なまでのアメリカ礼賛と地雷原での怪我をみていると、「狡兎死して走狗煮らる」という故事のことを 何故か思い出してしまいました。また難民キャンプにやってきたヘンゴウとアグリン兄妹の過酷な過去をしると、村で便利屋と して皆から重宝されている彼は彼らと比べるとまだ幼い感じをうけますが、地雷原で怪我した後の衝撃的な展開のなかで少し 変わった感じがします。村にアメリカ軍が来たことで今までは便利屋として重宝されていた彼の村での価値は低下することに なるでしょうし(実際アメリカ兵のおかげでパラボラアンテナがうまくつけられたりしています)、アグリンの悲劇は子供の 心に強い影響を与えないわけがないでしょうから。この後のサテライト少年とその仲間たちがどうなるのかが気になる終わり方 でした。

11月1日
古本市があったことをすっかり忘れていました。めぼしい物が残っていればいいのですが・・・。今度の3日はちょっとした 計画を考えています。かなりの強行軍になりますが日帰りで遠出しようかと。

10月29日
仕事の帰りに映画を一本。ハンガリー映画の「ハックル」です。全編台詞無しの75分はかなり奇妙な体験をさせてもらったという べきところですが、ハンガリーのある村の自然や日常を追っているようでじつは平凡な村のなかで次々と男が死んでいくという サスペンスめいた展開をみせていきます。村でおばあさんたちが妙な小瓶をやりとりしていたり、池の底に死体が沈んでいたり、 男たちが次々に消えていったりするのですが、台詞が一切無いので自分で話の筋を想像して行く予知がかなりある作品です。 しゃっくりをするおじいさんの顔や蛇、ナマズ、モグラ、蜂、猫などのアップや映像のツナギ方のうまさなどなどを見て楽しみ つつ、この村で一体何が起きているのかを映像だけでもって再構築していく作品ですので、見る人を相当選びそうな作品です。

10月28日
起きたときに余り具合が良くないので家でゆっくり静養に努めることにしました。映画鑑賞は明日以降に持ち越しと言うことで。

「中高年、本離れ進む」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051027-00000014-yom-soci

若者の活字離れと言うことは最近ずっと言われていますが、今回の調査結果では中高年のほうが本離れの傾向が目立ってきているそうです。 本という形で物を見ていなくてもネット上で色々と読む人もいるでしょうに。個人的にはネット上の書き物もいいけれど電気代と目の疲労 度という点で本のほうが良いと思っています。あと、ネット上の書き物の大半と私の興味関心の重なる部分が少ないと言うこともありますが。

こういう調査でいつも出てくる読んだ本の数は「1〜3冊」が39%、「4冊以上」が9%ですが、どんな本を読んでいるのかという 事がかなり重要なのではないかと思われます。分厚くて難解な本を読んでいる人も薄っぺらい本を読んでいる人も同じ「本読み」とし てひとくくりにされて冊数を数量化して読んでいる/読んでいないという形で扱われることには少々抵抗感を覚えます。

あと、ネット通販で本を買う人の割合は少しずつ増えているようですが、ネット通販に依存して現物を見ずに物を買うのは結構危ないなあと 思うことがあります。ただ、ここで言う危ないというのはセキュリティ云々とか個人情報云々といったことではなくその本がどんな本なのか 詳しく分からない状態で大金をつぎ込み、買ってみたら全然読む価値がなかったりするという点での危険性です。学生時代および最近も結構 洋書に手を出さざるを得なくなることが多いのですが、洋書の場合多くの本は現物を見られない状態でタイトルだけを見て注文することに なりますが、それで来た本が正直なところ期待はずれであったり、内容のレベル面でも???という状態であったときには何でこんな本を 買ったのだろうと思い、支払額の大きさも相俟ってしばらくの間は落ち込んでいます。一方でタイトルだけ見るとなんだか分からず購入を 見送った本が実はかなり大事な本だったりして後で困ったこともあります。ちょっとでも手に取ってみることができたならば買わなかった だろうなあと思う本が何冊もあり、ちょっとでも見ることができたらその本を買って色々と調べて勉強できたのになと思う本もある私から すると、現物で確認ができないネット通販に依存することにはためらいがあります。

10月27日
仕事の方は一段落付き、少し時間ができてきたため映画でもまた見に行こうかと思っています。今見に行きたい作品は「亀も空を 飛ぶ」(岩波ホール)、「ハックル」(イメージフォーラム)、「ランド・オブ・プレンティ」(有楽町シネカノン)、「世界」 (銀座テアトルシネマ)、「そして、一粒の光」(シネアミューズ)、「アワーミュージック」(シャンテ・シネ)、「ティム・ バートンのコープスブライド」といったところです。そろそろ見に行かないと終わってしまう作品もありそうなので急がねば。 幸い明日休めるので、そのときにでもいくつか見てこようかと思います。

10月26日
日本シリーズはあっさりとマリーンズが4連勝で決着が付いてしまいました。もうちょっと日本シリーズを楽しんでいられるかと おもったのですが、思った以上にあっさりと決着が付いてしまいました。今回のマリーンズの優勝について、ホークスやタイガース の方では色々と不満もあるようですが(間が開いて試合間が鈍った等々)、あれだけ間があって休養をとったり分析をする時間が 十分にあったのにこんなんじゃ、だめですね。間が開いて云々は既に分かり切ったことなのに何も手を打っていないというのは 単なる怠慢でしょう。今回のマリーンズはプレーオフ、日本シリーズともシーズン中と同じような戦い方をしていたのではないかと 言う気がします。日本シリーズというと短期決戦と言うことでシーズン中とは違う戦い方を意図的にするチームが結構ありますが どうも今回は打順の組み方を見ると特にシリーズだから変わったことをしているという感じはしませんでしたし、投手起用の面でも 昔みたいに先発投手を酷使するような場面は見られませんでした。

10月24日
仕事帰りに映画を1本。チェコアニメ特集のシュヴァンクマイエル短編集を見てきました。いや、なんとなくなのですが今回見た 作品はかなりグロテスクな感じがしました。結構ブラックな感じを与える作品が今回見た物に多かったのかなとは思っていますが、 チェコのアニメでも以前みたカレル・ゼマンやイジー・トルンカのアニメとは随分と雰囲気が違いますね。もちろん色々なところを 工夫して作り込んでいるという点では同じなのですが、それによって表現されるものにかなり違いがあるというかなんというか。

10月23日
私のサイトの書籍紹介コーナーには五十音別の頁が中心ですが、それ以外にもアレクサンドロス大王と秦始皇帝に関しては一括紹介の コーナーも設けています。で、この一括紹介のコーナーですが近いうちに新しいものが一つ追加される予定です。何が追加されるのか というと、山内一豊だったりします。別に来年の大河ドラマがそうだからと言うわけではなく、たまたま今月の新書新刊に山内一豊に 関する著作が3冊も出ているので、それを比較しながら紹介する感じにできればおもしろいかなと思っています。

早速3冊同時進行で読み始めたのですが、のっけから執筆スタイルに違いがあります。岩波新書の場合は山内一豊の生涯に入る前に 山内氏の来歴を平安時代からたどっていき、源平合戦や承久の乱では源平、朝幕双方に加担する形を取らざるを得ず、それにより生じた 危機は次世代の一族が結束して乗り切っていることや一族内部で一揆を結び団結して国人領主としての支配を固めていく過程、さらに 一族存続のためには他家から山内に嫁いできた女性もそのために力を尽くしていること等の説明で1章を割いています(なお、この執筆 スタイルを取っていることからも想像できると思いますが山内一豊の一族は山内首藤氏から別れた一族としてみているようです)。一豊 の祖先や家系についてどう見るかはPHPでは家系図を後で作って結びつけたと見ていますし、講談社現代新書ではそもそも祖先につい ての話は祖父、父のあたりしかしていません。出だしの部分からかなり違いがあるので、これからどの程度違いが出てくるのかは乞うご期待。

10月20日
当サイト「Historia」は本日で2周年を迎えました。未だにマケドニア史は終わっていないのに色々と新しいコーナーを作ってみたり、 雑感コーナーは映画日記と化しつつあったり当初想像していたものとは随分と違う形になりつつありますがこれからもよろしくおねがいします。

10月19日
ここのところ忙しい日々が続いていますが、今月の末日まではそんな状態が続きます。急に冷えてきたので体調には気をつけようと思い つつも既に風邪気味です。映画も色々と見たい作品はありますが見ている場合ではないだろうなあと思いつつ仕事をしています。

10月13日
徹夜仕事をしながらワールドカップの結果をチェックしていましたが。ヨーロッパでは前回出場組ではロシア、アイルランド、ベルギー、 デンマーク、スロヴェニアが敗退し、スペイン、トルコ、スイスがプレーオフに回ったようです。南米ではウルグアイが前回同様に オーストラリアとのプレーオフに回りましたが、次回からはこの枠はどうなるんでしょう(オーストラリアがアジアサッカー連盟に移籍した ため)?あ、あとウズベキスタンはごねてかえって損してしまったような感じがします。これでかなりの数の出場国がそろいましたが、 はたして日本とグループリーグで当たるのはどこの国になるんでしょう?

10月12日
ヨーロッパ予選最終戦の結果はどうなるのでしょう。日本対ウクライナというある意味「どうでも良い」試合よりそっちのほうが気に なります。しかしすべての結果を知るには徹夜しなくてはいけなくなるため、とてもじゃないけれど見ていられそうにないとおもった のですが、どうやら本日は徹夜仕事になりそうなので結果のチェックくらいはすぐにできそうです。

10月10日
連休最終日ですが、雨模様の上に起きた時点で既に昼に近かったために外出はせず。そのせいでバウスシアターで現在やっているチェコ アニメの特集を見逃してしまいました。一部プログラムが今日までだったような気が・・・・。まあしょうがないですね。

そういうわけで本日は家でおとなしく「カッコーの巣の上で」を見ていました。名前は知っていても今まで実は見たことがなかったので これが初めてなのですが、徹底的に管理された精神病院における自由と抵抗の話で、主人公が色々と引っかき回す中で回りの人たちも 変わっていくというところは話としてはよくある物だと思います。ただ、脇のキャラクターもそれぞれきちんと描かれているように感じ られましたし、良い映画だと思います。そうは言ってみたものの、最後のシーンは何となくすっきりしないというか引っかかるというか 微妙ですし、あれを見て爽快感を感じることは私はありませんでした。あの映画を見て婦長のほうに職責を全うしていると言うことで シンパシーを覚えるという人もいるようですが、職責を全うしているから素晴らしいと言う立場を取るとアイヒマンみたいになってしまい ますよ。

10月9日
昨日は「理想の女(ひと)」をまたまた見に行ったり(これで3回目)、「シザーハンズ」を見たくなっていきなりレンタルしてきたり、 なんだかよく分からない事をしていました。ぁ、一応その前は仕事をしていたんですが。

最近(というかここ2,3週間くらいの間に)、私が見に行ったり書き込みをしている掲示板で騎兵の話題がでてきています。騎兵が 実際にどのように運用されていたのか、またどの程度の動きができたのか、使われる馬がどのような物であったのかを今一度検証しなおす 必要があるのではないかと思われます。騎兵として用いるためにきちんとした訓練を受けている馬というものは普通の馬とは運動能力や 気質でも違いが出てくるでしょうし、そのような馬に乗る乗り手もまた常に馬上で闘うための訓練を行っているため、馬上での体の使い方 や武器の使い方、馬の扱いに関しては熟知しているでしょう。そう言った条件を全く満たしていない馬や人を使って再現実験らしきことを 行ってみても昔の騎兵がどのような物であったのかは分からないどころかかえって誤ったイメージを垂れ流すことにつながりかねません。 小型の馬だから重さに耐えられないため騎兵として機能しないとか、障害物があると止まってしまって進まなくなるとか、断崖絶壁を駆け 降りることなど不可能だとか、馬上で鐙や鞍無しに打物をつかうことは不安定だから無理だといったような固定観念ははたしてどの程度 まで正しいのかを調べるために、半年〜1年くらい訓練された小型馬および乗馬(もちろん裸馬で乗る)と馬上での武器使用の訓練を施した 人をそろえたうえで実験してみるとおもしろそうですが、誰かそんなことを調べてみようと思う人はいないでしょうか。コストの割に得られる 物は少ないと言うことで無理な気もしますが、色々なことが分かるんではないかと思います。

10月7日
本日は久方ぶりにゆっくり休めたので、「Sin City」と「セブンソード」の2本の映画を見てきました。事前に色々な情報を目にしていた ので、果たしてどんな映画なのだろうと思いつつ自分の目で見てから感想でも書こうかと思いつつ鑑賞してきました。

「Sin City」はミッキー・ローク、クライブ・オーウェン、ブルース・ウィリスの3人がそれぞれ主人公になる3つの話からなるオムニバス 映画っぽい作り(ただしブルース・ウィリス編にミッキー・ロークがストリップバーで飲んでいたりするので、時系列としてはローク編は ウィリス編よりちょっとあとくらいか?)になっています。白黒ベースでときどきアクセントをつけるような感じで色が付いている(例えば ニック・スタール扮する悪役は黄色い色が付いてます)映像はなかなかスタイリッシュでかっこよいですし、愛する女のためなら命もはる男 のハードボイルドものとして結構おもしろく見られました。前編通じてモノローグが流れることにかんしては自分の心の中のことまでいちいち 語るなと言う人もいるだろうなと思います。主人公が心象までモノローグで語ることについてはどうやらコミックを忠実に映画化するんだと いう方向で映画が作られたと言うことも関係があるような気がしますが(パンフレットを見るとタランティーノがだしたアイデアだそうな)、 モノローグの多用も含めて全体の作りも「動くアメコミ」といった感じですね。なお、白黒処理が多いので意外と見られますが結構残酷な描写 が多いので、そう言う映画が苦手な人は見ない方がよいと思います。

「セブンソード」は清初の中国で禁武令なる法律が出されて武術が禁止され、武術家が捕らえられる時代(実際には禁武令なんて無かったはず ですが)、清朝にくっついて禁武令を利用して無辜の民を虐殺する者たちに対して7本の名剣を持って村を守るために立ち向かうという話です。 7人の剣士が活躍すると言うことでこれもやはり「七人の侍」からアイデアをひっぱている映画の一つでしょう。ただし、キャラクターやそれぞれ の持つ剣の特徴が把握しにくいため、少々わかりにくいところがありました(七剣士のなかにはどうもその他大勢の村人と同化してしまっている ように見える人たちもいましたし・・・・)。所々すごいなあと思うシーンもあったり(ラスト付近の狭い通路での戦闘シーン)、悪役の親玉 のキャラクターがなかなか印象的だったりするのですが、全体として見ると何となくとっちらかっているような感じは否めません(馬の話とか 高麗人の話とか・・)。

10月4日
私のサイトのトップ頁にもリンクしてありますが、「ホテル・ルワンダ」という映画の上映を希望する運動がネット上を中心に展開されて います。そしてどうやら「ホテル・ルワンダ」の公開が決定した模様です。トップ頁を見ると渋谷の単館系での公開になるようですが、 単館系であっても公開にこぎ着けたようでよかったです。大ヒットとなるかどうかは分かりませんが、ここで結構お客さんがあつまれば その後東京以外でも公開されるようになると思われます。で、どこで公開されるのかを調べていて知ったのですが渋谷のユーロスペース が改装されて新しい映画館になるようで、そこで公開されるとのこと。ユーロスペースが改装されるという話はちらっと見かけたことが ありましたが本当だったのですね。

10月2日
昨日から見た映画のメモです。
「フォーン・ブース」
見た目は派手で大層なことを言っている業界人がひょんなことから電話ボックスの電話を取ってしまったことからはじまる異色のサスペンス映画。 まさにアイデアの勝利としか言い様がありません。電話ボックスで顔の見えない犯人に追いつめられて上辺の虚飾やいままでついていたウソがばれ、 ちっぽけな自分の姿をさらす羽目になる業界人の役をコリン・ファレルが好演しています。犯人の動機とかその辺はよく分からないですし、犯人捜し をする映画としてみるとちょっと微妙なところもありますが主人公が追いつめられ、焦ったり混乱する様子はなかなかおもしろかったです。

「イージーライダー」
西海岸の人がバイクに乗ってアメリカ各地をさまよった挙げ句南部で死ぬというだけの話ですが、アメリカが果たして本当に自由な社会なのかという ことは今でも考えて行かなくてはいけない問題だと言うことだけは分かりました。あとはあの時代のアメリカ文化の一端をかいま見られると言うこと くらいかと。おもしろかったかと言われると正直微妙

「シティ・オブ・ゴッド」
ブラジルのスラム街で実際に起きた出来事を脚色して書いた作品で音楽や映像、編集が今風のかっこよい作りになっていますが、それを駆使して描い た題材は単純に娯楽として受容するには少々重すぎるものでした。

「トーク・トゥ・ハー」
昏睡状態の2人の女性を愛する2人の男の話ですが、一方は相手を見ているだけで深い関係になったような感じではなく、しかも実は彼女の心は別 の男の方に向いていたことを思い知らされ、もう一方はそれこそストーカーのような一方的な愛であり、それゆえに問題を起こし悲劇的な結末をた どることになります。「きもちわるい」の一言でぶった切られる事も多いこの映画ですが、愛なんて結局は一方通行な物で、たまにかみ合うことが ある程度に思っておけばいいのかなあと。

「スパルタ総攻撃」
たまたまDVD売り場で発見した1962年のハリウッド史劇。ペルシア戦争のなかでも激戦になったテルモピュレーの戦いを題材にした映画ですが、 最近のCG多用の史劇と比べると余り派手さは感じられず。スパルタ人は300人でしたから軍勢の規模としてはいいんだろうけれど、何となく両軍 の戦い方が妙な印象を受けます。とはいえ、貴重なギリシア史劇ですので、この機会に見られたのは運が良かったとおもいます。

10月1日
DVDを大量に借りてただ今鑑賞中。「ニューシネマパラダイス」を真面目に見るのは実はこれが初めてだったりします。その他、 「フォーンブース」なども借りてきています。今週いっぱい借りていられるのでゆっくり楽しもうと思えば楽しめますし、まとめて 見ることも可能ですが、果てさてどうしたものか。

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