日々の雑感(2018年1月〜6月)

通常の日々の雑感へ

6月29日
日本人は歴史好きという人もいるみたいですが、多分歴史自体は興味がないんだろうなあと思う今日この頃。そうでなきゃ、昨日のサッカー の試合を見て、したり顔でうまくやったなどとは言わないだろうに。「ドーハの悲劇」忘れたのか?

過去の積み重ねとかそういうのに興味がないんだろうなあとしかしいようがない。

6月28日
趣味の読書でどんなものをよく読んでいるかというと、歴史の本が圧倒的に多いです。しかしそれ以外だと結構翻訳モノの海外文学が好きで読んで いる ことがおおいです(日本人作家の本は、すみません、めったに読んでないです。なので、あまり他人と話があわないため、趣味の話はあまりしてい ません)。

最近だと、白水社や新潮社で現代の翻訳文学を多く紹介していて、クオリティはかなり揃っているような気がします。これは面白い、行けそうだと 思う ものを選んで翻訳しているからだと言えばそうなのですが、それでもハズレを引く確率はこの2社の本についてはだいぶ低いような気がします。

で、この2社の翻訳ものをみると、アメリカの大学の創作科出身の民族マイノリティ作家さんのデビュー作が結構翻訳されていますが、彼らの描く 出身国の文化や社会、考え方を扱った小説というのがなんか上っ面だけというかなんというか、響いてこないものを感じるところはあります。 なんでだろう。通り一遍、過不足なく出身国にまつわる話題が盛り込まれているのは確かなんだろうけれど、それで何?といってしまいたくなる 時がありますし、創作科で指導してくれる先生の意向にそって書いているだけのようにも思えてしまうことがあります。それを指導している人の イメージに沿って書かされているといっては言い過ぎか。

6月27日
最新話の「ヒストリエ」を読めました。「探偵エウメネスの事件簿」という感じの展開に。前の話の終わりでえらい物騒なものを取り出したと 思ったら、こういう話の展開になりましたか。宮廷というところは魑魅魍魎の巣みたいなところですなあ。

また、書店にてプルタルコス「モラリア4」を発見。これでモラリアが全部日本語訳で読めるように。そしてこの巻には演示弁論である 「アレクサンドロスの運または徳について」が収録されていました。徳か運かというテーマは何処へやら、アレクサンドロス礼賛の文章 が続いていきます。でも、この作品で描かれているようなアレクサンドロス大王のイメージって今もなお健在だよなあと思います(昨年 末にでたあの本とか、、、、)。

6月24日
サッカーでいうと前線からフォワードが相手選手に対しチェックする、中盤での激しいプレス、ゴール前を固めてとにかく失点を防ぐなどなど、 守り方についてもその時々で色々な対処や形があるように、物事への対処法にもいろんなやり方がその時々に応じてあります。身の危険を回避 するに際しても、まず自分で注意できるところはしておくというのは至極当然だとおもうのですが、昨今自分は何も備えをせず、何か問題を起こす 周りや他人が全面的に悪いんだとで言わんばかりの主張をする人たちが目立ちます。

周りの環境が改善されるということは必要ですが、それを待っている間に危険にさらされた時の対処くらいは考えようよ、それをせずに文句 ばかりをいってるのはなんだかなあ、、、。「自分の欲求が第一」。

6月22日
書店に史学雑誌の「回顧と展望」が並んでいたので、興味のあるところだけをパラパラと。ふむ、そういうコメントになるんだなと。あと、 「ギリシア人の物語」については特にコメントなし。「ローマ人の物語」のときほど話題になっていないからか。単に評者の興味・関心の 対象外なのかもしれませんが、どうなんでしょう。

6月9日
六本木のルーブル展へ。肖像中心の展覧会で、古代から近現代までいろいろと。有名どころ(アルコレ橋のナポレオンとか)もきていますが、 この時点では意外と空いていました。そして、古代史好きなひとにとっては、アザラのアレクサンドロスとならんでミトラダテス6世が並んで いて元祖とコピーが並んでいるような感じだったりするのが興味を引くかもしれません。

個人的には、これが撮影オッケーな展覧会だったら、いろいろとってきてネタに使えたのだけれど、特別展は科博以外撮影禁止がほとんど なので、しかたないですね(それにしてもなぜ科博のアンデス展とかは撮影ができるのだろう。その辺をうまくクリアする方法はあるのか)。

6月3日
上野の東京国立博物館に、先日久しぶりに行ってきました。前行ったのはいつだったかな、何かの特別展以来だから数ヶ月ぶりか。

金曜日と土曜日は夜9時までやっているため、仕事帰りにちょこっとよることができました。今は、「後三年合戦絵巻」中巻が展示されています。 時期によって展示品は色々と入れ替わるので、これもしばらくしたらまた変わっていると思います。「後三年合戦絵巻」は生々しく凄惨な戦闘場面 が描かれている絵巻物ですが、現存するものは後半の部分だけのようです。それにしても、凄惨な場面はどういうニーズがあって描かれたのでしょ う。 あるいは、ニーズの有無でなく「合戦絵巻ではそうやって描くもの」という約束事のようなものがあるのかもしれませんが。

特別展はものすごい混みますが、常設展はゆったりと見られるのでいいですね。

5月20日
新緑が目に眩しく、少々蒸し暑く感じられる日も多くなってきました(今日はかなりさわやかですが)。

世間では、日大アメフト部のラフプレーと、その後の対応の酷さが色々と話題になっています。そもそものプレー自体がおかしい(ボールを 投げた後のクオーターバックにタックルすること自体がダメなはず)、さらにそれが監督の指示なのではという疑惑がある、そしてその後の 日大側の対応があまりにも拙劣と、ダメなことのてんこ盛りといった感があります。どうしようもないですね、ここまでいくと。競技の根幹 を揺るがしかねないレベルの酷さだとおもいます。

あと、相手大学の名前を何度も読み間違えたというのも非難されていますが、彼の意識にあるのはあくまで「関学アメフト部」であって 「かんせいがくいんだいがく」ではなかったのだろうと思います。問題の監督は日大の理事であるようですが、「大学人」としての意識よりも、 「日大アメフト部監督」としての意識および、日大アメフト部の中で培ってきた感覚のほうがはるかに強く出ているでしょうし。

こういうことがおこると、一足飛び(?)に“スポーツ”全般を叩きだす人が出てくるのは、なんだかなあと思いますが、当該団体と人物に ついては相当厳しく対応しないといけないよなあ、これ。

4月29日
今月出た「アフタヌーン」、「ヒストリエ」がちゃんと掲載されていました。ここのところ、古代マケドニア王国の仕組み、内情 がらみの関係の説明のような話が続いていましたが、ぼちぼち話が動き出しそうな予感がします。それにしても、あんなことをやった ら、エウメネスもあと大変そうだけど大丈夫か?そして、さっそくオリュンピアスにマークされるエウリュディケーの運命やいかに、、、。

さて、世間ではゴールデンウィーク突入ということで、行楽地へ行っている人もいるかと思います。私は残念ながらそういう余裕は なく、遊びに行く予定も特に立てていませんが、休みが入るというのは良いことです。ここのところ疲れたし。

4月2日
4月1日がおわった。ネタを考えるのも馬鹿馬鹿しいので放置していました。

それはさておき、新年度です。といっても特に変わることはなく、ボチボチ続けていきます。

3月24日
また暖かくなり始めて桜の開花が進んだり、どうも落ち着かない天気ですが、いかがお過ごしでしょうか。

千代田区の図書館が、ある時期からサイトが使えなくなっていました。なんでもセキュリティ上問題があるとかなんとかで、昨年 秋ころよりサイトを閉じ、気が付いたら越年、そしてリニューアルの3月までそのまま閉じておくという、利用者からすると結構 困ったことがあったのですが、先週より使えるようになっていました。これで安心して本を借りに行ける。

千代田区立図書館は結構利用する機会がおおいです。通勤経路上で途中下車したときに比較的立ち寄りやすい場所にあることが 大きいです。借りられる冊数は区民じゃないとかなり少なく設定される、延長できる期間が短いといったところはまあしかたない ですね。いっぱい借りても読み切れずに返却することになるから、少ない枠のほうがいいかもしれないと思うときもあります(調べ ものをするときには困ったことになりますが、たんに読書をしたいというのであれば問題なし)。延長期間がよそより短いのは 伸ばしてもらえると助かるのですが。

3月18日
上野の東京都美術館へブリューゲル展を見に行った。しかしいろいろな事情により駆け足での鑑賞で終了。どうも最近そういうの が多くなり、あまりきちんとした感想が書けない。あとで書こうにも内容結構忘れてしまっているからなあ、、、。

思い出すものとしては、農民の踊りを描いたもので、この時代だからということもあって男性が皆コッドピースをつけていたという ことくらいです。まあ、なんといいますか、今の日本でああいう格好をしたら社会から抹殺される可能性の方が高いだろうなあ。それに 部位が部位だけに、迂闊に職場とかで話題にしても危ないやもしれません。昨今、どこに起爆スイッチが埋まっているのかわからない 人が多いですから。

コッドピースというと、あれは小物入れとしても使われていたという話がありますが、その話を聞くと「こち亀」の海パン刑事の姿 を思い出してしまうのは私だけでしょうか。まるで四次元ポケットのように海パンのなかからいろいろなものが出てきますし。

3月5日
春の嵐吹き荒れる日を、皆様いかがおすごしでしょうか。
そんな夜にふと思ったことでも。以下、なんとなく語尾が「北の国から」の純みたいに煮え切らない、はっきりしない文章が続き ますが、気にしないでください。単なる思い付きですから。

・一風変わった問題が出ることが多い一橋の今年の問題を見た。第2問は受験生にこれをその場でとけというのは結構きついだろう。 こういうのは、おそらく受験生を指導する側の人々(教員、塾講師)に対する大学側の注文なのかもしれない。文化史を工夫して 教えろということかなと(単なる人名と作品の羅列じゃなくてね)。こういう問題を見ると、すぐ「悪問だ」と騒ぎ出す人がいますが、 教える立場の人たちがそういう騒ぎ方をするのはまずくないかと。

・史学雑誌の書評をパラパラと。確かにギリシアの一番最初の論文はあの論集の中では独特の雰囲気の論文ではありました。確か ソクラテスが何かに憑かれたような物言いをする場面があったような記憶がありますが、最近読んだ「ギデオン・マック牧師 の数奇な生涯」のラストの語りをふと思い出しました。何かに憑かれたような語りって、ちょいちょいあるのかも。

・学会誌の書評に速報性を求めることの意味がわからない(多くて月1、下手すれば年1もギリギリみたいだし)。ああいう雑誌の 書評は速報性よりも内容の深い検討とかの方が意味があるような。

・「史学雑誌」のバックナンバーがネット上からダウンロード可能になっていた(昔は有料だったけど、今の時点では無料)。いろいろ 興味を持ったものを読んでいますが、書評を見ると、議論の応酬になっているものもいくつか発見。やはり、専門誌の書評コーナーは 書籍の内容の深い検討とか、書評をきっかけとした論争とかを読むのが面白いような気がする。やはり専門誌で速報性はそこまで必要 ないんじゃないかなあ。

・速報性を重視するなら、別の媒体をフルに活用したほうがいいとおもう。ただ、新刊、新着論文がいろいろと現れる中で どこまで内容をきちんと読んで書評をかけるんだろう。単なる感想文でも結構面倒だと思うよ(と、感想文ブログの管理人 としては思うんですが、、、、)。

・自分の専門じゃないことは一切やらない・やりたくないという教員は、「〜なんてやっても意味ねーよ」と文句をつける生徒からそのこと でツッコミを受けたらどう対応するのか見てみたい。まさか権力ふりかざして抑えこむんじゃないよね、、、、。

・ここのところ、日本中世史の本を手にとって読むことが個人的には多いです。室町時代のあたりで手に取りやすい本が増えてきたこと もありますし、戦国時代についても兵農分離や惣無事といったことに切り込んでいく著作がでていたりと、活発な出版が続いています。 そして、読み手の方もそれを勉強しつついろいろ考えているようです。いいなあ、こういう感じ。

・本屋にて、根津由喜夫「ビザンツ貴族と皇帝政権」(世界思想社)を見つけた。結構前の本なのですが、まだあった。買って手元に 置いておきたいが、問題はお金が、、、。他にも欲しいものがいろいろあるし、買わねばならないもの(本以外)もあるし。

2月27日
国公立の二次試験も始まり、各大学の入試もぼちぼち公開され始めています。東大の世界史第1問は、書き方自体はそんなに面倒では なさそう(知っていることを具体的に書けば良い感じ)ですが、書くべきものがはたしてどれだけ引っ張り出せるかでしょうかね。 こういうテーマ、適当に流して済ませている人は多そうですし。なんとなくですが、教育現場に対する注文のように感じる問題では ありました。

2月18日
Bunkamuraのルドルフ2世展へ。アルチンボルドのルドルフ2世肖像とかブリューゲルの絵などがもちろん見所だとは思いますが、 彼が集めていた色々なもの、プラハで活動した人々、それに関するものを見られたのは面白かった。アンデス展とサウジアラビア展の 感想もまだ書いていないので、これについてもどうなるかわかりませんが。

1月28日
この日も上野へ。仁和寺展を見たついでに、サウジアラビア展も鑑賞。やはり、最近は特別展でもある程度写真撮影を認めるところが 出てきているようで、色々とありがたいです。仁和寺は二十八部集だけでしたが、サウジアラビア展はすべて撮影可能ということでした。 それと、サウジアラビア展はなかなか現地に行ってみるというのが難しい国の貴重な遺物が色々とあるので、通常展示と同じ料金で入れる こちらのほうは是非見て欲しいと思います。サウジアラビア展のほうは感想をまとめたいところです(時間があれば)。

1月4日
上野の科学博物館へ、アンデス文明展を鑑賞しに行ってきました。インカ帝国を含めたアンデスの様々な文明について豊富な遺物を もとに紹介しており、これはなかなか見ごたえがありました。インカ以外にもキープを使っているところがあるのは実は初めて知り ました。

そして、この展覧会はミイラのコーナー以外は撮影が可能ということで、いっぱい写真を撮ってしまいました。後で、それを幾つか アップした形で感想を書きたいと思います。

1月1日
あけましておめでとうございます。

昨年はすっかり歴史コーナーの更新が滞り(マケドニア史の記事に区切りをつけた&「ヒストリエ」が進まない)、読書コーナー をいじることがメインとなりました。そして雑感は更新が大幅に遅れたため、ついに昨年後半は6ヶ月分をまとめて一つにしても 十分な程度の記事しか書いていませんし、感想を書くと言っていたアルチンボルト展の感想はついぞ書かずじまいで終わってしまい ました。

今年はどうなるんでしょうかねえ。それはともかく、今年もよろしくお願いします。こんな僻地のWeb1.0感満載のサイトを見に来る 人はそんなにいないのですが、細々と継続していこうかと。

歴史コーナーの更新はすっかり止まっていますし、雑感も結構停滞していますが読書関係については主にブログで色々書いています。 こちらの方の更新が色々追いついていないところまりますが、ちまちまといじってはいます。読書についていうと昨年は結構充実した 読書ができた(特に後半は忙しい割に良い本に多く出会えたなと)。昨年のベストは昨年12月の雑感に掲載していますし、ブログの 方で少し書きましたが、ギリシア史関係で結構面白い本に出会うことができました。一方で昨年末に塩野七生「ギリシア人の物語」 の3巻目が出て、アレクサンドロス大王を扱っていましたが、あれを読んでギリシアやマケドニア、アレクサンドロス大王について よくわかった、というのはかなりまずいんじゃないかと思います(いろいろなところで???と思うところがあります)。少なくとも 勉強のためにあれを読むのはダメだろうと。ただ、アマゾンはじめネット上ではあれを読んで勉強になった、ためになったと思って いる方が多いのをみると、、、、。

トップへ戻る
inserted by FC2 system