日々の雑感(2013年4月〜6月)

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6月26日
幸せって何だろうと、オルダス・ハクスリー「すばらしい新世界」を読んでいると考えてしまいます。何も苦しまず、悩むこともない 「新世界」、なんと平板で単調な世界だろうか。ただ、面倒なことをしたくないと思う時は多くの人にあるだろうし、それがない世界 に一瞬あこがれることもありますが、それで本当にいいのかと思うときもあります。

自分がこの作品のどこに気持ち悪さあを感じているのかを少し考えてみると、どうやら、階級をどこにするかということが一部の人々に よって決定されていること、そして一度決まるとそこから変わることは一切できないような世界が構築されていること、そういうところ に気持ち悪さを感じているようです。そして、各階層が決して共感を抱いたりしないように造られているという所も気分の悪さを感じた ところだったりします。そして、この「新世界」では一人になることは許されない、常に何らかの形で誰かとつながってしまうところは 正直耐え難いです。

この「新世界」の方がいいとおっしゃる方々もいるのですが、ほんとうに「新世界」に放り込まれたら間違いなく壊れるだろうなとおもう ひとばかりですね(自分が見た限りでは)。絶対あんたそこじゃ暮らせないだろうと思う人に限って「「新世界」のほうをえらぶ(キリッ)」 っていうんだもんなあ。。。

6月23日
本日は、「貴婦人と一角獣」展を見に行ってきました。六本木の国立新美術館にて、貴婦人と一角獣のタピストリーと、 それと同時代のタピストリーなどの美術をならべた展覧会です。

メインの展示は6枚のタピストリーがあり、その他にそれの解説、それと同じ時代の美術(1500年前後のものが多いような気がしま す) がてんじされています。6枚のタピストリーすべてを見ると、それぞれ貴婦人、一角獣、獅子などの表情に違いがありますね。6人の中 では「聴覚」の貴婦人が美人顔っぽいかなと言う気がしますし、「味覚」の人も結構整っている感じ。「視覚」のひとはちょっと個性的で すね。あと、獅子の顔が何だか妙に人間くさいのがいたりします。展示品の数はそれ程多いわけではない展覧会ですが、じっくりと楽しめ る展覧会でした。

6月9日
午前中に色々と用事を済ませて、午後から上野へ。「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」を見に行ってきました。

レオナルド・ダ・ヴィンチが生前書き残した手稿を中心として、ミラノのアンブロジアーナ図書館に所蔵された素描や、 レオナルドの追従者たちの絵画などを取り上げた展覧会でした。アンブロジアーナ図書館にある色々な作品の展示を見た あとで、レオナルドの手稿、そして彼の絵画と彼をまねした人々の絵画が後に続くという構成で、レオナルドは一応メイン なのですが、それ以外のものが占める比率がかなり高かったです。

レオナルドの手稿に書かれた色々なメモは、1枚の手稿に色々なことを書き込んでいる物が多く、当時の紙は結構貴重だった のだろうと想像しています。また、青い紙も出てくるのですが、何故あるときだけ青い紙が使われているのか、展示を見て いてもあまりよく分かりませんでした。青い紙を使うことの意味やメリットについて、もうちょっと展示の解説で書いて くれてもよかったのに(私が見落としただけかもしれませんが)。

で、今回の展覧会はレオナルド・ダ・ヴィンチが前面に出されている割にそれ以外の物が多いという構成で、来たお客さんも 一寸戸惑っているところはありました。実際、素描のコーナーでは、これはダヴィンチじゃないからさっさと行こうというような ことを言って同伴者を急かすおじさんもいました。一方で、展示品が結構小さいのと意外と見づらい(照明の関係もあるかも)ため、 かなり近くまで寄って立ち止まらないとよく見えない物もありました。そういうところで人の流れが止まってしまい混雑している 時もありましたが、立錐の余地無しという込み方ではありませんでした。

個人的には図録を買って、家に帰ってからじっくり読んだ方が良かったかなと思っていますが、図録を買う余裕はなく諦めました。

6月4日
久し振りに映画館で映画を見たような気がします(映画でなくオペラのライブビューイングは結構前に一度行ったのですが)。 見てきたのはケン・ローチ「天使の分け前」という映画です。「天使の分け前」というのはウイスキーの自然蒸発分のことの ようで、物語にはウイスキーも色々と関係があったりします。

スコットランドの下層階級の若者の姿を書くというと、同じ監督の別の作品でも扱われていましたが、そのときは結構悲劇的な 結末をたどっていたのと比べ、今回はコメディというかファンタジーになっていました。一寸したことがきっかけでウイスキー のテイスティングの才能があることが分かり、さらにウイスキーへの興味や関心も強まっていくという展開です。その合間に、 イギリスの下層階級のおかれた厳しい現実がもりこまれています。後半の展開も、そこまでやらないと普通の暮らしを送ること すらできないという事をとおまわしにいっているような気がします。

結末については、このような結末はあり得ないと憤慨している方々も多いようです。前半の触る者皆傷つけるような彼が犯す罪と、 後半、それなりにまじめにやっていこうとする彼が犯した誰にとってもそれなりにメリットがありうまく収まる罪、どちらも罪 だから許せない、と言うところでしょうかね。まあ、大団円ではなく根本的な問題は解決されていない(主人公の友人3人のその後 が一寸心配)、そういうところをあえてのこしつつ、それなりに希望も持てる終わり方は好きですが。

5月31日
気がついたらえらい間が開いてしまったような気がします。この間何をしたのかを思い出しながら書いてみようかと思います。

まず、神社展(2度目)にいってきました。一部の絵や鎧、衣服などが入れ替わっていたように、展示品が前半と入れ替わっていました。 そういえば七支刀が無くなっていたような気がしますし、グッズ販売コーナーでも七支刀関係の物が目立たなくなっていたような。展示 事態はなかなか興味深い物が多く、2度目でも十分楽しめました。あとは、何か絵巻がきていたかもしれません。

その他、5月26日にラファエロ展を見に行ってきました。こちらは6月2日が最終日で、そろそろ行かないと終わってしまうために、当 初は 行くのが無理かなともおもいましたが(起きた時点で昼だった)、急いで準備をして見に行ってきました。レオナルド・ダ・ヴィンチとも ミケランジェロともまたちがう、なんというかこう柔らかい印象を与える絵が多かったような気がします。ただ、ラファエロについては昔 子供向けの世界の歴史で見かけたミケランジェロとのエピソードからは表と裏のある人だなとは思っています。まあ、相手がミケランジェ ロ だったから「野良犬の如く孤独に」なんて切り返しをしたんだろうなあ、うん。

ここのところサイトをいじる時間がなかなかとれずに放置していましたが、この間も読書はそれなりにしてます。ブログにて感想を書いた もの、書いていない物、いろいろとありますが、ブログに感想を書いていないけれどこれからサイトに一寸した紹介を書こうと思って貯め て いるのはロン・カリー・ジュニア「神は死んだ」あたりかな。それ以外は意外と感想を書いていたことが判明したので。あとは世界史リブレット 人からあと2冊くらいあったような気がする。ビスマルクはこのサイズで良くまとめたような気がします。このシリーズ、どっか変わった 視点から 描き出している本が多いようですが、コンパクトでなおかつ網羅的、そして新しい研究も盛りこむというところができているので、このシリーズ のなかでも特にお薦めしても良い本です(アレクサンドロス大王は自分の興味に任せてブログで長文を書いてしまいましたが、少し変わっ た伝記 ですので、合わない人もいるかもしれません)。

ロン・カリー・ジュニア「神は死んだ」は実際に神様が死んでしまった後、世界が段々狂っていく様子を書いた短篇集です。絶賛するほど じゃ 無いけれど、面白いですよ。

5月6日
うじうじと迷っているのもどうかとおもい、思い切って3日に気になっていた本をかってしまいました。立ち読みだけじゃ良くないからね。 これであやふやな記憶に頼らずに感想を書ける状態になりました。感想に変更をこれから加えていくところもあるかもしれません。

地元の本屋で頼んでいる文は別にキャンセルはする予定はありません。自分の分と一緒に何冊か入れてもらえれば、それが書棚にならぶわ けで、 そうなると他にも興味を持って読もうという人がいたら中身を確認できますし。少しでもこう言うジャンルの本が売れてくれるとありがたいです。 はたしてどうなることか。

で、実は3日に感想を書いたということをかいていましたが、アップするのをどうやらしばらく忘れていたようです。やれやれ。

5月3日
久し振りにサイトをいじったような気がする。ずいぶんと間を空けてしまいましたが。この間神社展を見に行ったりしてきました。 七支刀の実物、鹿島の巨大直刀等々、個人的に非常に興味深いものがみられました。よかったよかった。

また、読書ブログのほうも更新しています。4月に書き損ねたものを1つと、5月に入って立ち読みで一気読みしてしまったもの1冊で す。 4月の段階に地元の本屋に注文してしまっていたので見かけたけれど買うわけにいかず。コレクターだったら、2冊買ってきれいに保存 するものと書き込みとかして読む物を分けるのかもしれませんが、そういう趣味はないので。まあ、自分でかって、面白かったら他人にあ げてもいいかなとは思 いますので、複数あってもいいのかな。買うかどうかまようところです(単価はそれ程高いというわけではないので)。

で、5月のお薦めのほうは読んでいて面白かったので、ついつい余計なこと書きすぎてまとまりがなくなっています。ひさしぶりに自分の 興味のある時代の本がでたもので興奮してしまいました。勢いに任せて書いたらろくな事にならないという実例ですね。

4月27日
久し振りの更新となりますね。落ち着いて何かを書くと言う時間がなかなかとれなくて。

山川出版社から「世界史リブレット人」シリーズという、ブックレットサイズの伝記ものがでるというお知らせがありました。 ただ、4月下旬といっていたのですが、現時点ではまだでる気配がないですね。書影もまだまだみられませんでしたし。

人選を見ると、意外な人が入っていたり、この人は入っているだろうと思う所が抜けていたり、どういう基準で決まったのか 分からないところもありますが、なかなか面白そうです。

ページ数も100頁に満たないくらいの分量なので、ざっと見るには丁度良いのではないでしょうか。

4月6日
爆弾低気圧戸やらがやってきて、夜になってから大変なことになっています。大雨、風、これは危険だ。


4月5日
久し振りに博物館を連続で。東京国立博物館で円空展、都美術館でエル・グレコ展をみてきました。どちらも展覧会が終わる間近なので、 いっておいてよかったかな。円空はかなり素朴ながら存在感のある仏像がならんでいました。エル・グレコのほうは微妙に縦長で明暗が くっきりしていて、一寸からだが曲がっているような絵だけでなく、イコン作家としてかれがのこしたものも展示されていたのも良かった です。 ただ、やっぱりああいう絵が教会の壁にいっぱいあるとなんとなく落ち着かないような気がするのですが…。なんというか、奔流にのみこまれ ていくようなかんじで。   

4月1日
4月1日、エイプリルフールですね。まあ、でも4月1日以外だって皆嘘はついてるんだし、ここだけ特別扱いしなくてもいいんじゃないかな。

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